視点を変えれば、中国大陸で労働集約型の工場がこれまでの湾岸地域から内陸部にシフトしているように、タイではメコン地域のミャンマー・カンボジア・ラオスなどに労働集約型の工場がシフトしていくものと予測される。
これらの地域での生産スケジューラの採用は時期尚早との意見もあるが、他国の進歩に一気に追い付くために最初から高度なシステムを導入するとの企業戦略も否定できない。実際、欧米の海外工場ではこうした事例もしばしばみられる。
このような動きに対して、日系製造業は海外でのIT適用に関しても意思決定が遅い。
欧米系企業は早くにローカライズし、アウェイの他国市場で現地にしっかり溶け込んでお互いにノウハウを共有し合う。一方の日本の企業はというと、数年で上層部がコロコロと変わり、ノウハウも秘匿しようとする。狭い日本市場の中で、同業同士のシェア争いで角突き合わせた体験から隠ぺい体質になっているのは仕方ないのかもしれないが……。
アスプローバ株式会社
副社長 藤井賢一郎(ふじい けんいちろう)
半導体工場のSEとして生産管理システムを開発。営業に転じてからは、製造業のお客様に向けたシステム提案一筋に従事。生産管理パッケージソフトウェアを100社以上に導入した他、生産計画ソフトウェアの採用が300社以上に達した実績がある。2012年まで、アスプローバチャイナ社の総経理として活躍、2013年からは、チャイナ・プラスワンビジネスとしてタイに赴任予定。
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