日本ヒューレット・パッカードが発表したサーバのOEM事業「HP Converged OEMプログラム」。従来のホワイトボックス(市販サーバ)を利用するものと、どこが違うのか? そこにはHPならではのいくつかのポイントがあった。
2013年4月2日、日本ヒューレット・パッカード(HP)はOEMビジネス向けの支援プログラム、「HP Converged OEMプログラム」を開始すると発表した。これは簡単に言うならば、ラック型X86サーバを使って何らかのシステムを構築・納入している事業者向けに、HPがサーバのOEMを請け負うというものだ。
従来これらの事業者は、いわゆる「ホワイトボックス」と呼ばれるまっさらな市販サーバに、専用のボードやアプリケーションを組み込み、自社製品として出荷・納品していた。しかしこの場合には、いくつかの問題点があった。
例えば専用ボードの組み込んだ場合の放熱テスト、安定して長期ランニング可能かのテストなどは、自社で行なわなければならない。
製品に問題が起こった場合、自社のボードやアプリケーションの問題であれば当然自社で対処すべきだ。しかしホワイトボックスに問題があった場合も、そのトラブルは自社で引き取らなければならない。
日本から組み込み製品を輸出するのが現実的ではない場合、現地にて同じものを組み立てる必要がある。しかし同じホワイトボックスが現地調達できない、あっても現地価格が全然違うといった問題が生じる。さらには現地調達のホワイトボックスのサポートは、現地語でしか受けられないというケースもある。
ホワイトボックスのサーバは、CPUの世代が変わればそれに対応した製品に現行ラインアップが変更される。自社の提供するシステムに変更がない場合でも、同じサーバが入手できなくなることで、新たな検証作業が発生する。
これはエンジニアリングの問題ではなく、どちらかと言えば営業サイドの問題である。高価なシステムを開発・納入した場合でも、再起動のたびにサーバメーカーのロゴが表示される、あるいはフロントベゼルに見知らぬメーカーのロゴが貼ってあると、顧客満足度が下がる。まあ有り体に言えば、せっかくウン千万出して導入したのにどう見てもサーバが中国製、これが許してもらえるほど人は寛容ではないという事である。これは次期リプレイス時にもまた発注してもらえるかという問題にも直結するため、案外無視できない。
HP Converged OEMプログラムは、これらの問題を解決するソリューションだ。
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