フラックスの熱反応が一番良い状態がはんだ付け品質の一番良い状態になる。それゆえ、温度プロファイルの良否の判定は規格数値のみでは十分ではなく、基板上で最初に熱反応を示すフラックス残渣の形状と、フィレット形状及びフィレット光沢とフィレット表面の滑らかさで適否を判断する。その後にボイドの観察を行い、はんだ付けの良否の判定を確定する。現場では、それでも発生する問題については基板や部品側の問題として捉える。
製品としての基本は、生産技術や品質管理などによる環境試験での結果をもって、最終判定に至る。
量産現場では基本となる基板の品質・設計・材質・サイズが絶えず変わる。これを無視した、画一的な数値管理の温度プロファイルでは市場での品質が安定せず改善効果の薄い検査工程のみが増えていくことになる。
海外工場では多くの作業員が検査・修正工程に張りついているが、現実に長時間の目視検査は型ばかりのものとなってしまい、品質改善にはほとんど役立たない。自動観察装置も良否の選別止まりである。
下部の遠赤外線ヒータを活用してフラックスを劣化させずに基板に熱供給することで(図8)、フラックスの効力でぬれ性が改善され、はんだフィレット形状もフラックス残渣形状にも荒れがなく、綺麗な曲線を描いている(図9、図10)。
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