「この足は飾りじゃない!?」――従来タイプよりも優れた原発向け「4足歩行ロボット」を東芝が開発ロボットとつながる小型走行車も

東芝は、東京電力・福島第一原子力発電所の原子炉建屋内の調査・復旧作業を実施する「4足歩行ロボット」と、同ロボットと有線接続可能な「小型走行車」を開発した。

» 2012年11月21日 15時18分 公開
[八木沢篤,MONOist]
東芝の原発向け「4足歩行ロボット」

 東芝は2012年11月21日、東京電力・福島第一原子力発電所の原子炉建屋内の調査・復旧作業を実施/支援する「4足歩行ロボット」を開発したと発表した。カメラや線量計を搭載しており、無線による遠隔操作で原子炉建屋内の状況を把握することが可能だという。

 新開発の4足歩行ロボットには、同社が独自開発した不整地や段差での歩行を制御するアルゴリズムと多関節構造が採用されており、4足で障害物を避けながら歩行するとともに、階段の上り下りも行える。これにより、従来の車輪やクローラタイプのロボットでは到達困難だった場所での作業も可能だとしている。さらに、同ロボットの活動を支援する「小型走行車」も開発。ロボットと走行車間は有線で接続され、狭い通路の先や構造物の陰にある設備・機器・配管の状態を撮影することができる。

 以下に、4足歩行ロボットと小型走行車の外観と主な仕様を示す。

新開発の4足歩行ロボット小型走行車 (左)新開発の「4足歩行ロボット」/(右)4足歩行ロボットと有線で接続できる「小型走行車」

装置名 4足歩行ロボット
重量 65kg
外形寸法 624×587×1066mm
電源 バッテリー
バッテリー駆動時間 2時間(連続歩行の場合)
可搬重量 20kg
歩行速度 1km/h
操作方法 無線操作
4足歩行ロボットの概要

装置名 小型走行車
重量 2kg
外形寸法 313×327×47mm
電源 バッテリー
バッテリー駆動時間 1時間
走行速度 200m/h
操作方法 親機からの有線操作
小型走行車の概要

 同社は引き続き、作業ロボットの技術開発を進め、遮蔽体の搬入・設置、止水作業、障害物搬出などの応用動作に対応できるよう改良を進めていくとしている。なお、同社は被災地の除染作業を支援する取り組みとして、放射線量を「赤」「黄」「緑」「青」と色の変化で可視化できる「ポータブルガンマカメラ装置」の販売および撮影サービスなども行っている(関連記事1関連記事2)。

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