村田製作所は、自動車のエンジンルームなど150℃に達する高温環境で使用可能な1005サイズと1608サイズの積層セラミックコンデンサで「世界最大」(同社)の静電容量を持つ製品を開発した。
村田製作所は2012年9月12日、自動車のエンジンルームなど150℃に達する高温環境で使用可能な1005サイズ(1.0×0.5×0.5mm)と1608サイズ(1.6×0.8×0.8mm)の積層セラミックコンデンサで「世界最大」(同社)の静電容量を持つ製品を開発したと発表した。同年7月から、出雲村田製作所(島根県出雲市)で量産を開始している。
今回開発したのは、1005サイズの「GCG155R91E104K」と「GCG155R91H473K」、1608サイズの「GCG188R91E474K」、「GCG188R91H224K」、「GCG188R92A683K」の5品種。新材料の開発により、米国電子工業会(EIA)が定めるX8R(−55〜150℃の温度範囲で静電容量変化率が±15%に収まる)特性を確保しながら、1005サイズや1608サイズといった小型品の静電容量を高めることに成功した。また、外部電極の材料に、導電性接着剤との固着強度に優れるAgPd(銀パラジウム)を使用している。導電性接着剤でプリント基板に実装すると、温度変化による基板と部品の膨張収縮差が緩衝され、150℃といった高温から低温への変化を繰り返した場合に発生するはんだクラックを抑制できるという。
静電容量/定格電圧はそれぞれ、GCG155R91E104Kが0.1μF/25V、GCG155R91H473Kが4万7000pF/50V、GCG188R91E474Kが0.47μF/25V、GCG188R91H224Kが0.22μF/50V、GCG188R92A683Kが6万8000pF/100Vとなっている。
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