「ETロボコン2012」概要発表――今年は原点回帰がキーメッセージだ!!初心者がより参加しやすい内容に(1/2 ページ)

ETロボコン実行委員会は2012年大会に向けた記者説明会を開催した。回を追うごとに参加者のレベルもアップし、ロボットコンテストとして盛り上がりを見せる「ETロボコン」だが、今年は「原点に戻ったETロボコンを目指す」という。その真意とは?

» 2012年02月15日 11時51分 公開
[八木沢篤,@IT MONOist]

原点に戻ったETロボコンにしたい

 ETロボコン実行委員会は2012年2月14日、「ETロボコン2012(正式名称:ETソフトウェアデザインロボットコンテスト 2012)」開催に向けた記者説明会を開催。2012年大会の概要と方向性について説明した。

 ご存じの通り、ETロボコンは決められたハードウェア(ロボット:LEGO Mindstorms NXT)を用いて、ロボットの制御ソフトウェアの設計を競うコンテストだ。大会の競技内容は、UMLなどのモデリング言語で走行競技システムの設計を行いその内容・品質を競う「モデル部門」と、実際に自律型ライントレースロボットの制御・性能をレースで競う「競技部門」の2部門からなる。そして、両部門の総合結果からチャンピオンを決定する。

ETロボコン実行委員会 本部実行委員長 星光行氏 ETロボコン実行委員会 本部実行委員長 星光行氏

 ETロボコンは、回を追うごとに参加者のスキルレベルもアップし、競技部門でもそれに応えるかのように、さまざまな“難所(競技レース上に設置された課題コース)”が設置され、コンテストとしての盛り上がりを見せている。しかし、「参加者のレベルの差が開いてしまった。初心者の方々のソフトウェア設計スキルを中級レベルにまで引き上げるという目的が達成できた半面、コンテスト自身が中級レベルを対象とするものになってしまった」と、ETロボコン実行委員会 本部実行委員長 星光行氏は振り返る。ETロボコンの主たる目的は、組み込みシステム開発における分析・設計モデリングと、モノづくりの楽しさを経験する“教育機会の提供”にある。コンテストとしての成長の陰で、当初の目的が希薄化してしまったのではないか、というのがコンテストを10年続けてきた実行委員会側の率直な思いのようだ。「そこで、今年は原点に戻ったETロボコンにしたい」と星氏はいう。

ETロボコンとは? ETロボコンとは?

教育機関からの参加を後押しする「仮登録制度」の導入

 予選が行われる地区大会は2011年大会同様、11地区で行われる。2月から実施説明会が行われ、3月5日〜4月6日の期間で参加申し込みを受け付ける。その後、技術教育(5月中旬〜6月下旬)や試走会(7月中旬〜9月末)などを経て、9月上旬〜10月中旬にかけて地区大会が開催される。そして、地区大会を勝ち残ったチームが、11月14、15日に行われるチャンピオンシップ大会で頂点の座を競い合う。

全国11地区にて地区大会開催 全国11地区にて地区大会開催

 前回は10周年の記念大会ということでチャンピオンシップ大会への出場枠が52チームと拡張されていたが、今回は通常の「40」チームに戻す予定だという。なお、実行委員会では2012年大会の参加チーム数を380チームと見込んでいる(2011年大会は338チーム)。

 今回、ETロボコン実行委員会は大会参加申し込みについて、新たな制度を導入する。「『4月上旬の申し込み締め切りでは、参加できる学生が決定しないので、毎回参加登録すべきかどうか迷う』との声を多くの教育機関から頂き、今回は大学、短大、高専、専門、高校からの参加については決められた期間中(4月6日〜5月8日)に登録キャンセルができる制度、『仮登録制度』を導入する計画だ」(ETロボコン実行委員会 運営委員長 小林靖英氏)。この制度により、これまで締め切り時期の兼ね合いで、参加に迷っていた・参加できなかった教育機関からの申し込みを広く受け入れることができる(結果、学生の参加人数の拡大が図れる)。

仮登録制度 仮登録制度

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