4つの企業グループが海底からそびえ立つ着床式の洋上風力発電の実現可能性調査に取り組む。大林組と国際航業は秋田市沖でMW級の実現が可能かどうかを調べる。2012年4月には調査結果が明らかになる予定だ。
大林組と国際航業は、2012年1月12日、秋田市沖の洋上風力発電(洋上ウインドファーム)の実現可能性調査を開始すると発表した(図1)。調査期間は2012年3月まで。
洋上ウインドファームには浮体式と着床式があり、今回は着床式について調査する。「風力発電の想定規模は5MW程度である」(関係者)。「漁業権との調整や、初期建設コストを考慮し、水深25〜50mの海域を検討している」(国際航業)。
大林組は本体の施工設計などを調査し、国際航業は計測技術を利用した海底地形調査や風況のモニタリングなどを担当する。今回は実現可能性調査であるため、風力発電用のタービンについては検討しない。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が2011年7〜8月に公募した「風力等自然エネルギー技術研究開発(洋上風力発電等技術研究開発)[洋上ウィンドファーム・フィージビリティスタディー(FS)]」の委託先として調査を実施する。
なお、NEDOは2011年8月25日にFSの委託予定先として大林組、国際航業以外に3つの企業グループを発表している(図2)。いずれも着床式が前提だ。これらの3グループは漁業権との調整の必要があることなどから、実施地域などFSの調査内容について公表していない。
風力発電は陸上でも実現できる。実際に国内の風力発電所の99%は陸上に設置されている。なぜ、わざわざ洋上に設置しなければならないのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.