Xilinxは、「2012 International CES」で、車載情報機器向けイーサネットとして注目を集めているEthernet AVBを実装したFPGAを用いて、運転支援システムや車載エンターテインメントシステムのデモを行った。
Xilinxは、米国ネバダ州ラスベガスで開催中の消費者向けエレクトロニクスの総合展示会「2012 International CES」(2012年1月10〜13日)で、Ethernet AVB(Audio Video Bridging)のエンドポイントIP(Intellectual Property)コアを実装したFPGAを用いて、運転支援システムや車載エンターテインメントシステムで映像/音声データを伝送するデモンストレーションを行った。
Ethernet AVBは、家庭内や車両内でイーサネットを用いて映像/音楽データを伝送する用途に向けてIEEE(電気電子技術者協会)が策定している規格。正式名称はIEEE 802.1 AVBである。自動車業界は、駐車時に車両の周辺監視を行うサラウンドビューシステムにおいて、車両周辺に取り付けた車載カメラと画像処理ユニットの間を接続するLAN規格として注目している。中でも、BMWとトヨタ自動車の取り組みは積極的だ。(関連記事1)。
Xilinxは、車載情報機器向けFPGAの事業展開に注力している(関連記事2)。2010年3月には、車載グレード対応品のFPGA「XA-Spartan-6」と、車載情報機器向けの開発ツールキット「インフォテインメント コンパニオン チップ ターゲット デザイン プラットフォーム」を発表した。今回のデモは、XA-Spartan-6をベースに、同社がEthernet AVBのエンドポイントIPコアと、Digital Design Corporation(DDC)がイーサネットで映像/音声信号を高速に伝送できるように最適化したIPコアを組み合わせた「EAVB 開発キット」を用いている。同キットを用いたEthernet AVBの伝送速度は100Mビット秒もしくは1Gビット/秒。価格は9999米ドルで、DDCが販売している。
行ったデモは3つ。1つ目は、3D表示が可能なサラウンドビューシステムで、4台の車載カメラの映像データをEthernet AVBを介してFPGAに送信し、映像処理もそのFPGA上で行うというもの。2つ目のデモでは、映像ソースとある程度の距離を離してEthernet AVBで接続したディスプレイに、映像データを低遅延でストリーミングできることを示した。3つ目は、映像データをMotion JPEGで圧縮/拡張する機能をFPGAに組み込むことで、Ethernet AVBの占有帯域を制御するデモである。
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