ソフィアシステムズ、デバイス内部から端子状態を調査できる「Query-J」を発表JTAGバウンダリスキャンツール

ソフィアシステムズは、基板の配線切断やMPUの端子状態を調査するための探索ソフトウェア「Query-J」をリリース。同社のJTAGエミュレータ「EJSCATT」と組み合わせて使用することで、デバイス内部からJTAG経由で端子状態を取得できる。

» 2012年01月12日 18時00分 公開
[八木沢篤,@IT MONOist]

 ソフィアシステムズは2012年1月12日、組み込み機器の試作段階において、デバイスの端子状態を調査するための探索ソフトウェア「Query-J」のリリースを発表した。

 同製品は、JTAGバウンダリスキャン機能を応用し、近年増えているBGA(Ball Grid Array)パッケージなどを使った基板の配線切断や端子状態調査をはじめ、隠れた端子の信号を調査するために開発されたソフトウェアである。

 BGAパッケージの採用や狭ピッチデバイスを使用すると、部品の実装密度を上げ、小型化を促進し、開発コスト削減にもつながるが、その半面、これらの基板では端子状態の調査は大変困難となる。そこで、試作基板段階でテスト用のパターンをわざわざ引き回したり、基板のレントゲン検査を行ったりするわけだが、時間とコストが掛かる他、検査精度の低さに課題が残る。

 同製品と、同社のJTAGエミュレータ「EJSCATT」とを組み合わせて使用することで、デバイスの内部からJTAG経由で端子の状態を取得できる。EJSCATTをターゲットのJTAGコネクタに接続、またはJTAGコネクタに集約された形でない場合は、個々の信号端子をクリップして端子の状態を取得する。

接続イメージ 接続イメージ(ホストPC:Windows XP/Vista/7)

 以下、端子状態の調査を支援する同製品の主な機能を示す。

  • デバイスの自動認識 
    −各デバイスメーカーが提供するBSDL(Boundary Scan Described Language)情報を登録済み。JTAGチェーン上に接続されている各デバイスのIDを読み込んで自動認識
  • バウンダリスキャン・チェインをツリー表示 
    −JTAGチェーン上の各デバイスを認識された順に表示 
    −デバイス端子の内容(ポート名、ピン名、I/O)を表示
  • 端子状態一覧表示 
    −端子名と状態の一覧を表示。出力機能のある端子への一括信号出力
  • 簡易ロジアナウィンドウによる端子状態の波形表示 
    −バウンダリスキャン結果を波形表示。カーソル間の時間表示、拡大、縮小、波形データ保存などが行える
  • EJSCATTと連動したバウンダリスキャン同時実行 
    −デバッガを動かしながらバウンダリスキャンチェックが可能。同時実行例としては、デバッガ側でステップ実行を行い、止めた際にスキャンをかけ、実際に信号が出力されているかどうかを確認することが可能
  • バウンダリスキャンに対応したBSDLファイルを公開している全てのデバイス(CPU、FPGAなど)に対応

「Query-J」の各機能 「Query-J」の各機能

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