トーストを使って情報を表示するAndroidアプリケーション開発者のためのTips集(1)

Androidアプリ開発者のためのTips集。今回のTipsでは、“トースト(Toast)を使って情報を通知する方法”を紹介。Toastの基本的な使い方だけでなく、表示位置や見た目の変更なども併せて解説する。

» 2011年12月14日 11時19分 公開
Android Tips

Tips概要と動作検証環境

用途 基本
カテゴリ 画面制御
レベル 初級
動作確認環境 Android 2.3.1(GingerBread) エミュレータにて動作確認
備考 今回のTipsは上記環境で動作確認・検証を行っています


Tips 1:トースト(Toast)を使って情報を表示する

 Toastは、アプリケーションからユーザーに対して動的に情報を表示する基本的な手段の1つだ。

 「短時間で自動的に表示が終了してしまう」「ユーザーからの操作を受け付けることができない」などの理由から用途は限定されるが、一方で以下のような利点もある。

  • 表示が非常に簡単
  • 事前に専用のビューを用意する必要がない
  • アプリケーションがフォーカスを持っていない状態でも表示できる
  • 他のUIに対する操作を阻害しない
トーストの凡例 画像1 トーストの凡例

基本的な使い方

 基本的なToastの表示には、Toastクラスの以下のメソッドを使用する。

Toastの作成:

    public static Toast makeText(Context context, CharSequence text, int duration)
    public static Toast makeText(Context context, int resId, int duration)


作成したToastの表示:

    public void show()


例:

    Toast.makeText( context, "hello world", Toast.LENGTH_SHORT ).show();


 まずは、Toastを作成するためにmakeTextメソッドを呼び出す。

 第1引数のcontextには、Activityクラスのオブジェクトが使用できるので、Activityクラス内でToastを使用する場合、大抵、第1引数にはthisが指定される。

 第2引数には表示する文字列を渡す。これは、CharSequence型での指定を求められるが、String型を使用して問題ない。また、あらかじめ文字列リソースとして登録した文字列を表示したい場合、第2引数には“R.string.xxxxx”といったリソースIDを指定できる。

 第3引数のdurationは、Toastの表示時間の指定で、Toast.LENGTH_SHORT、またはToast.LENGTH_LONGを指定する。

※注1:LENGTH_SHORTの場合は約2秒、LENGTH_LONGの場合は約4秒間表示するToastとなる。


 作成したToastを表示する際には、作成されたToastオブジェクトのshowメソッドを使用する。

表示位置の調整

 通常、Toastは画面下部中央に表示されるが、setGravityメソッドによって表示位置を細かく調整できる。

    public void setGravity(int gravity, int xOffset, int yOffset)

 第1引数のgravityには、android.view.Gravityクラスの定数を使用する。例えば、Gravity.CENTERを指定した場合、Toastは画面中央に表示される。

中央表示の例 画像2 中央表示の例

 gravityは“|”演算子を使って複数指定できる。

 例えば、Gravity.TOP | Gravity.RIGHTと指定した場合、Toastは画面右上に表示される。

右上表示の例 画像3 右上表示の例

 また、第2、第3引数によって、表示位置をピクセル単位で調整できる。

Toastの見た目を変更する

 setViewメソッドを使用してToastに任意のビューをセットすることで、トーストの見た目を好きなように変更できる。

    public void setView(View view)

 ただし、Toast上にボタンやエディットテキストなどを配置しても、操作することはできない。

Toastの見た目を変更する例:

    void customToast( Context context, String message ){
 
            // 事前に用意した画像(droid.png)を使って
            // イメージビューを作成する
            ImageView iv1 = new ImageView(context);
            ImageView iv2 = new ImageView(context);
            iv1.setImageResource( R.drawable.droid );
            iv2.setImageResource( R.drawable.droid );
 
            // メッセージを表示するための
            // テキストビューを作成する
            TextView tv = new TextView(context);
            tv.setTextSize(24.0f);
            tv.setText( message );
 
            // リニアレイアウト上に、
            // 作成したビューを並べる
            LinearLayout ll = new LinearLayout(context);
            ll.setOrientation( LinearLayout.HORIZONTAL );
            ll.setGravity( Gravity.CENTER );
            ll.addView(iv1);
            ll.addView(tv);
            ll.addView(iv2);
 
            // トーストを作成し、
            // 今作ったビューをセットする
            Toast t = new Toast(context);
            t.setView(ll);
 
            t.setGravity( Gravity.CENTER, 0, 0 );
            t.show();
    }


実行例 画像4 実行例

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