再生可能エネルギーの利用ではドイツやスペインなどが注目を集める。英国はモデル地域を指定し、一気に再生可能エネルギーの100%利用を目指す。舞台は英国最大の島ワイト島だ。東芝やIBMが技術を提供する。
英国で100%再生エネルギー化の動きが進んでいる。
そもそもの起こりは、2010年、英国のデービッド・キャメロン(David Cameron)首相が、総選挙に挑むに当たり「Big Society」という保守党の政策方針を打ち出したことによる。地方に権限を委譲し、地方を活性化する5つの方針からなるものだ。
総選挙後、首相は資金面の裏付けを固めていく。休眠口座からの4億ポンドの他、大手銀行から2億ポンドの資金を取り付け、「Big Society Capital」を創設、社会的投資マーケットの成長を促すことになった。
2011年2月、この資金を使い、持続可能な社会を作り上げる英国で最大のプロジェクト「EcoIslandプロジェクト」がワイト島(図1、図2)で始まった。この島は、19世紀、当時のビクトリア女王が避暑地とするために宮殿を建てたことにより、高級リゾート地として有名になった。現在は島の西側が特定自然保護区に指定されている。一方で、ワイト島は14万人以上の人口を抱えており、年間約300万人の観光客が訪れる(図3、図4)。自然と社会の共生を試みるには最適な地ともいえる。
リゾート地として著名なワイト島、どのように再生可能エネルギーを広めていくのだろうか。何を目指すのだろうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.