財団法人 京都高度技術研究所(ASTEM)/ワイヤレスコントロール研究会は、家電製品の消費電力や使用状況の監視・制御などを行うHEMS(Home Energy Management System:ホームエネルギーマネジメントシステム)をイメージしたシステムの展示デモを行っていた。京都府、滋賀県、大阪府の企業が集まり活動を開始したワイヤレスコントロール研究会は、近距離無線通信規格の1つ「ZigBee」にフォーカスし、「家庭内や事務所、工場などをより“エコ”な場所にするワイヤレス制御システム」の研究開発に取り組んできたという。
今回のETWest2011では、ランプや扇風機などの消費電力をZigBeeを用いてマスターコントローラーに飛ばし、それらをインターネット回線を介してクラウドサーバ上にアップ。iPadやiPhoneからクラウドサーバにアクセスし、消費電力の状態などをグラフで視覚的に表示させていた。「ZigBeeで家庭内の機器の消費電力情報を収集し、クラウドからでもローカルエリアからでも情報にアクセスできる。いわゆるスマートハウス、HEMSに関連したデモとなっている」(説明員)。
また、マイコン評価ボード「mbed」と任天堂「Wii」のヌンチャクを組み合わせた試作機で、ローカルにあるデータを小型の有機ELディスプレイにグラフ表示させていた。ちなみにケースはフロッピーディスクのケースを利用しているそうた。
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ソフィアシステムズのブースでは、インテル Atomプロセッサ E660(IOH:OKIセミコンダクター製「ML7213」)を搭載した、IVI(In-Vehicle-Infotainment:車載インフォテインメント)向け開発プラットフォーム「Black Creek」を展示していた。
同製品は、昨年(2010年)秋にリリースされた製品で、OSとして「MeeGo for IVI」をサポートする他、Windows EmbeddedやAndroidなど各種OSにも対応できるという。現在、「車載向けの開発プラットフォームとしての利用はもちろんだが、サイネージなど車載システム開発以外の用途で購入するユーザーもいる。また、ソフトウェアベンダーがAtom E660の性能を評価するのに使っているケースもある」(説明員)とのことだ。
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冒頭でもお伝えしたが、本家ET展と同じく、今回のETWest2011でも非常に充実した専門カンファレンスが設けられていた。中でも基調講演は、業界をけん引するトップ企業として、シャープ、インテル、トヨタ自動車、大阪ガス、JAXA、パナソニックと、そうそうたる顔触れが多彩なテーマで講演を行っていた。
以上、最後は駆け足となってしまったが、初潜入した関西版ET展“ETWest2011”で筆者が注目した展示デモの内容と初日の基調講演(ダイジェスト)を紹介した。次回は、ETWest2011のレポート第2弾として、東日本大震災の被災地域である宮城県と岩手県に拠点を置く、企業5社が合同出展していた「TOHOKUパビリオン」の出展内容を紹介する。
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