グローバルビジネスアソシエイツのブースで展示されていたのは「eNoS:Embedded NoSQL Database(EGI2.0)」と呼ばれる組み込み用KVS型データベースだ。
「Androidで内部のデータベースにSQLiteを使用しているアプリケーションは、データ数が増えると性能が落ちるという問題があり、検索パターンが限られているという欠点もあった」と説明員は指摘。SQLiteのミドルウェアとして動作するeNoSであれば、高速な検索と検索パターンを実現し、こうした問題を解消できるという。
展示会場では、総務省が公開している12万件以上の住所データを使用して検索をデモ。通常のAndroidで「銀座」を検索すると約1.2秒かかっていたところ、eNoSを使うとわずか11ミリ秒ほどで検索できていた。また、平仮名と半角仮名が混在しているような検索語でも検索可能で、絞り込み検索機能など、さまざまなパターンで検索できていた。
eNoSはKVS型のデータベースとなっており、SQLiteなどのRDBMSの外部インデックスとして検索機能を強化するのが特徴で、Android以外でもJavaやITRON、Linux、Windows上でも動作する。また、50〜120Kバイトと軽量・コンパクトで、Android本体だけでなく、アプリケーションそのものに内蔵して、検索機能を強化するといった使い方もできるという。既に一部の家電での評価が行われており、「今後、さらに採用を進めていきたい」(説明員)という。
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ウェルインテクノロジーが出展していたのは「Embedded-VRT」と呼ばれる仮想マシンだ。ITRONやVxWorksといったリアルタイムOS上に搭載し、その上でAndroidやSymbianなどの仮想化したモバイルOSを動作させることができる。
リアルタイムOSとして必要なハードウェア処理をITRON側に任せ、リアルタイム性で劣るAndroid側にUIやグラフィックスなどの機能を担当させることで、より安定した製品を実現することが可能だという。
ハードウェア処理をリアルタイムOSが担うため、ハードウェア処理に時間がかかると、その上で動作する仮想化したAndroidの処理が追い付かなくなる可能性もあるが、「リアルタイム性が必要な処理をAndroid単体に任せるよりも安定する」(説明員)といったメリットがあるという。また、リアルタイムOSが動作するCPUならば、どんなCPUでもAndroidを動作させることができ、ITRONやVxWorksなどのリアルタイムOSで培った既存ソフトウェア資産も再利用できるメリットがあるとのこと。
さらに、このEmbedded-VRTを活用したAndroid高速起動オプション「Androidスマートブート」も開発し、ESEC2011で展示していた。これは、Androidの起動時間を短縮させるための技術で、電源オフ時に、ホストのITRONがその時点のAndroidをスナップショットとしてROMに待避させ、再起動時にROMから復帰させることで、起動時間を数秒レベルにまで短縮できるという。
スナップショットを復帰させているため、実際にはAndroidのシステム自体は再起動していないが、ROMに待避させているので、バッテリーを取り外しても、再び電源を入れればそのまま復帰できる。特に、デジタルカメラやテレビのようなAV機器の開発で高速起動が求められていたそうで、既に引き合いも来ているそうだ。
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