その他に目を引いたものは、ルネサスイーストン、ナノコネクト、ウェルインテクノロジーの3社で共同出展された医療用サービスだ。
ルネサスイーストンのVIA Technologies製セミカスタムタブレットPC(Android 2.2搭載)を看護師用タブレットとして利用し、電子カルテの情報や自宅療養中の患者情報を確認。一方、患者の自宅には、ナノコネクトのAndroid搭載ロボット「すーぱーどろいど君」を設置。すーぱーどろいど君に搭載されたセンサーにより室温や湿度情報を取得し、タブレットPC側に送信してくれる。看護師側は、それら情報を基に患者の健康状態に気を配れるという。
さらに、患者の枕元などにウェルインテクノロジーの通信機能付きAndroid搭載デジタルフォトフレーム「LUNA(ルナ)」を設置し、看護師からの各種指示や情報を表示させる。
服薬の時間になったら、看護師がタブレットから指示を送り、すーぱーどろいど君とLUNAが指示を受信して、患者に服薬を促す。そして、患者が薬を飲んだら、LUNAの機能で1タッチで「ありがとう」メールを送信でき、それをタブレットで受信し、患者が服薬したことが記録される。
今回のソリューションは、あくまで3社が持つ技術を使ったデモで、実際にサービス化を目指しているわけではないが、Androidとクラウドサービスを活用することで、さまざまな領域で利用できるサービスの可能性を示していた。
関連リンク: | |
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また、音声合成分野でもAndroid向けの製品が幾つか展示・デモされていた。
HOYAサービスの音声合成ソフトウェア「VoiceText」もAndroidに対応。最小で11Mバイトまで小型化しており、自然で高音質の音声合成を実現した点が特徴だという。自由なテキストを入力して、それを自然な合成音声で読み上げさせることもでき、「今後はPC向けの感情表現を変更する機能も実現していきたい」(説明員)という。
また、音声合成エンジン「AITalk」を手掛けるエーアイもAndroidに対応した「micro AITalk」を開発し、ESEC2011では活用事例として「DONATONE」を展示。DONATONEは、インターネット上のRSSやTwitterなどの情報を取り込み、それを音声合成で読み上げてくれるというアプリケーションで、指定した音楽に乗せて、男性や女性、子どもなどの好きな声で読み上げてくれる。近日中に正式に公開される予定だという。
イナゴの「NetPeople モバイル・エージェント サービス」もAITalkを利用しており、AIエージェントが話し言葉での質問を解析し、それに対してインターネット検索のように回答を返してくれるというもの。「明日、友達と飲み会をしたい」という質問にレストランを紹介してくれ、「電車での行き方は?」と聞くと、その店までの乗換案内を紹介してくれる、といった具合だ。返答するAIエージェントの回答に音声合成エンジンが使われている。
Androidというとスマートフォンやタブレットが話題だが、組み込み向けにも浸透が始まっている。家電からセンサー機器のような業務用まで、どのブースで聞いても引き合いが強くなっているようだった。
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