タブレット機器向けAtomプロセッサ「Z670」を発表、インテルムーアの法則を上回るペースでの製品化を計画

インテルは、新しいAtomプロセッサ「Z670」と「SM35 Express」チップセットで構成されるタブレット機器向けAtomプラットフォーム製品を発表した。

» 2011年04月12日 16時32分 公開
[八木沢篤,@IT MONOist]

 インテルは2011年4月12日、新しいAtomプロセッサ「Z670」と「SM35 Express」チップセットで構成されるタブレット機器向けAtomプラットフォーム製品(開発コード名:Oak Trail)を発表。2011年5月から年末にかけて、Evolve III、富士通、Lenovo、Motion Computing、Razer、Vilivなどから、Oak Trailプラットフォームを搭載したタブレット機器/ハイブリッド端末、35機種以上が順次販売される予定だという。

 Z670は、グラフィックス機能とメモリコントローラを直接プロセッサ上に搭載しており、従来製品と比べ60%小さなサイズで、携帯型の医療補助機器、産業用タブレット機器、携帯POS端末などを省電力かつファンレスで実現できるという。Z670は、Android、MeeGo、Windowsなどの各種OS上でアプリケーションを稼働させることが可能で、パフォーマンスを犠牲にすることなく、動画再生機能の向上、スムーズなインターネットブラウジング、バッテリー駆動時間の向上などが図れるとしている。

 また、Oak Trailプラットフォームは、1080pビデオのデコードやHDMI出力に対応し、リッチメディアの取り扱いが可能になるほか、Adobe Flashもサポート、リッチコンテンツやFlashベースのゲームを楽しむこともできるという。同社は、タブレット機器向けのZ670のほか、WindowsおよびMeeGoに対応した組み込み機器向けAtomプロセッサ「Z650」を7年のライフサイクルサポートで提供するとしている。

 さらに、同社はメディア機能/グラフィックス機能と省電力性能を向上させた、ネットブックおよびエントリーレベルのデスクトップPC向けの32nm 次世代Atomプラットフォーム製品(開発コード名:Cedar Trail)について、2011年4月12から13日、中国・北京で開催されている「インテル・デベロッパー・フォーラム(IDF)」でその一部を公開した。既に、主要顧客などに向けて、Cedar Trailのサンプル出荷を開始しており、2011年後半にはCedar Trailを搭載した製品が登場する見込みだという。

 今回のAtomプロセッサの製品ラインアップ強化と今後の戦略について、インテル 副社長 兼 ネットブック&タブレット製品事業部長のダグ・デイビス氏は次のようにコメントしている。「インテルの新しいAtomプラットフォームであるOak Trail(開発コード名)、およびそれに続くCedar Trail(開発コード名)は、ネットブックやタブレット機器で素晴らしいパーソナルかつモバイル体験を実現するというインテルの継続的な取り組みを示すものです。これは、長時間のバッテリー寿命と性能を向上するという、インテルがアーキテクチャーの強化に取り組んできた証といえます。“インテル Atomプロセッサ製品群は、ムーアの法則を上回るスピードで開発が進められており、今後3年間で3つのプロセス技術を採用した新製品を市場投入する計画”です」(プレスリリースより)

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