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» 2009年12月02日 00時00分 公開

OESF、軽量版「Android」への取り組みにも着手組み込みイベントレポート(2/2 ページ)

[八木沢篤,@IT MONOist]
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 続いて、OESFが実施する公式認定トレーニングの取り組み、アプリケーション配布の仕組み、さらに、Android搭載カーナビの事例について紹介する。

Androidエンジニアの教育にも

 Marketing & Educationワーキンググループでは、OESF公式認定トレーニングを実施している(OESFメンバー企業によるフランチャイズ開講)。

 展示会場では、シミュレータ上でAndroidアプリケーションの作成・デバッグ手法を習得する「Androidアプリケーション開発入門(2日間)」と、Linux上の開発環境を使用し、実機上で動作するAndroidプログラムの作成・デバッグなどを習得する「Android開発者のための組込Linux入門(1日間)」の2コースを運営しているOESFメンバーのウェルインテクノロジー(旧ウェルビーン)が、実際にトレーニングで使用する開発環境やトレーニングで作成するRSSリーダーを展示していた。


「Androidアプリケーション開発入門」コースで作成するRSSリーダー 画像10 「Androidアプリケーション開発入門」コースで作成するRSSリーダー
「Android開発者のための組込Linux入門」で使用する開発環境 画像11 「Android開発者のための組込Linux入門」で使用する開発環境

 また、その隣では、同じくAndroid向けのトレーニングコースを提供するナノコネクトが、Android技術者教育訓練「Androidエデュケーション」で使用するロボット通信制御のデモンストレーションを行っていた。

動画2 ナノコネクトのトレーニングで使用するロボット


組み込み機器向けのMarketPlaceはどうするのか?

 OESFは、さまざまなデバイスへのアプリケーション配布を円滑に行うための仕組み作りにも取り組んでいる。現状のAndroid Marketでは、有償で提供できる場が少ない、今後想定される組み込みデバイスごとの判定・配布ロジックがないなどの課題があるという。こうした課題を解決するための検討・仕組みづくりを行っているのが、Application & Serviceワーキンググループだ。

 現在、Application & Serviceワーキンググループでは、「OESF Certified SDK for MarketPlace」の開発を進めているという。

組み込み機器向けのMarketPlaceについて 画像12 組み込み機器向けのMarketPlaceについて

 展示ブースでは、端末プレインストール用のダウンローダーアプリケーション「OESF Downloader」を搭載したAndroid端末から、アプリケーションをダウンロード/インストールするデモンストレーションを行っていた。「この取り組みの成果は、OESF Embedded Master2へ提供される予定だ」(説明員)。

ダウンローダーアプリケーションのデモ機 画像13 ダウンローダーアプリケーションのデモ機

世界初のカーナビ誕生―まもなく製品化へ―

 OESFブースで最も製品化に近い展示・デモンストレーションを行っていたのが、中国のArcherMind TechnologyのAndroid搭載カーナビだ。

 同カーナビは、ARM9ベースのチップセットが採用され、7インチのタッチ・スクリーンを搭載するほか、GPS、3G、Wi-Fi、Audio/Videoモジュールなどが組み込まれている。「通常のナビゲーション機能はもちろんのこと、Webブラウジングやマルチメディアコンテンツの再生、通話機能、SMS、オーディオ・ブックなどにも対応している」と説明員。

世界初をうたうArcherMind TechnologyのAndroid搭載カーナビ 画像14 世界初をうたうArcherMind TechnologyのAndroid搭載カーナビ

 地図表示・検索エンジンについては、中国の地図コンテンツメーカーのライブラリを組み込んであるとのこと。中国の大手自動車メーカーからの依頼を受け、開発に着手し、現在、共同でテスト作業を行っているという。2010年第1四半期ころに中国の新車に搭載される予定だ。

 カーナビ開発にAndroidを採用したメリットについて、説明員は「豊富なJavaエンジニア、そして、組み込みLinuxエンジニアの既存リソース・ノウハウを生かせる点が大きい」と話す。こうしたメリットを生かした短期開発と、それによる低コスト化、さらに、他に先駆けた早期市場投入を実現できる点が、Android採用の最大の魅力といえるだろう。今回のカーナビ開発はその好例といえる。

 なお、同社展示スペースには、中国のeBook端末やOphoneなどが展示されていた。いずれも同社が一部開発に携わったという。

Androidフレームワークをカスタマイズした「eBook」チャイナモバイルから発売されている「Ophone」 画像15(左) Androidフレームワークをカスタマイズした「eBook」/画像16(右) チャイナモバイルから発売されている「Ophone」

関連リンク:
ArcherMind Technology



 今年のETは、とにかくAndroidに関する展示・デモンストレーションを行っているブースに人が群がっており、その注目度の高さをうかがい知ることができた。今回レポートで取り上げたOESFの活動が今後さらに本格化し、組み込み業界全体を巻き込んで“標準化”へ向かえば、早いタイミングでカーナビに続く、新たな製品が世に出てくるかもしれない。そんな期待を抱きつつ、引き続き、OESFの活動に注目していきたい。

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