フレクシェの提供する「FLEXSCHE」は長大なデータ構造でも問題なく高速に再調整可能なのが特徴だ。
製造業の作業工程は年々複雑化の一途を辿っている。今まで表計算ソフトウェアで管理できていた企業でも、作業の限界は近付きつつある。というのも、表計算ソフトウェアでは、スケジューラとしての利用を前提としていないだけでなく、利用できる行数にも制限があるからだ。また、独自のマクロ機能を組み上げて使っている場合、今までうまくいっていたからといって、今後、別の要件が出てきた時に同様に対応できるかどうかは、そのマクロ次第となってしまうだろう。万が一、自分が書いたマクロが影響して日程管理に支障が出たとしたらその損害は計り知れない。
同社代表取締役の浦野幹夫氏は「この点、当社のスケジューラは、上限工程数は論理上無限といっても支障ないレベルの規模まで対応しています」と語る。
同社のスケジューラは、規模や工数の増加に対応できるだけでなく、スムーズな日程調整が可能な点もポイントだ。膨大な工数を抱えるプロジェクトの場合、データ量の多さから、1つの工程で予定が変更たとしても、関連するすべての工程が変更となる。新しい日程を再計算するだけでもかなりの時間を要することが多いのだが、同社の製品では、独自のチューニングによって、日程変更後の再スケジューリングを非常に高速に実施できる。
それぞれの工程や機械、部品などごとに個別にあらかじめ数値を設定しておけるので、変更が発生した場合も実績を入力すれば自動的に新しい日程が確定する。
同社ではDMS展開催直前の6月11日にバージョン9.0を発表したばかりだ。バージョン9.0では、ジョブガントチャート機能が搭載され、より操作性・視認性が高くなっている。また、完成品在庫の引き当て処理や、プロセス系向けには材料消費期限を考慮した補充・引き当ても実現している。また、外部データベースとの連携機能も強化されている。
アスプローバは、スケジューラエンジンを提供するベンダーだ。
同社製品の導入実績は多岐にわたる。電気・電子系はもちろんだが、日用品関係、例えば食品や服飾品なども含まれる。
「食品や服飾品は、電気系よりも市場の要求がシビアな傾向にあります。たとえば、ある食品が健康に良い、というテレビ番組があれば、その翌日には小売各社から注文が殺到します。その要望にいち早く対応できるメーカーが有利なのは当たり前です。また、食品のような市場ではブームや消費者のニーズの変化は非常にめまぐるしいものがありますから、製造ラインの調整で手間取ると、それだけで在庫の山を作ってしまう世界です。ですから、日程管理は速度と正確さの両方で信頼できる仕組みでないといけません」とは、開発マネージャ 田中智宏氏だ。
日程管理ではマスターデータ作成・変更がもっとも時間の掛かる作業だろう。各工程での製造機械の処理能力や、前段取り・後段取りにかかる日数なども考慮する必要があるが、複雑な工程を経て組み上がる製品の場合は、それぞれの項目について設定が必要となる。工数の途中でどこかが滞れば、また工程計画をひきなおす必要がでてくる。複雑な工程でこうした作業を行うのは非常に時間が掛かるものであり、それ自体がボトルネックとして考えられる場合も少なくないはずだ。
エクセル表に慣れた管理者を想定して、操作方法をエクセルのインターフェイスにあわせる工夫がされている。
同社では、日本国内の拠点のほか、中国・韓国、東南アジア圏、欧州各国や北米にもサポート拠点を持っているため、海外展開を視野に入れている場合でも迅速に現地で問題を解決できる環境が用意されている。
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