Cで行う二輪倒立振子とライントレースの制御ETロボコン2009、挑戦記(3)(2/2 ページ)

» 2009年06月23日 00時00分 公開
[上口翔子,@IT MONOist]
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さらに正確なセンサ値を得るために

 昨年取材していた際に何名かの参加者の方が「普段練習している環境と、実際にレースを行う会場との光度が違うので、うまく走行できない場合がある」といっていたのですが、今回実際に参加してみて、そのことがよく分かりました。例えば、先ほどラインを外れたときのセンサ値が約540でしたが、自宅で走行した際には600近い値でした。これでは同じプログラムを実行してもNXTはうまく走行してくれません。

 NXTは構造上、RCX(昨年までメインで使用されていた走行体)よりも、環境に左右にくいような光センサになっていますが、それでも、より本番に近い環境でセンサ値を得る必要がありそうです。

(案1)LED点灯時のセンサ値を得る

 まずは、走行時に点灯していたLEDを、helloworldプログラム実行時にも点灯するように書き換えます(さきほど走行していたときにはLEDが点灯していました)。

 LEDの点灯は、ecrobot_set_light_sensor_active(NXT_PORT_S3);というAPIが用意されていますので、これを上記のソースコードに書き加えます。すると、LEDが点灯しました。これでより走行時に近いセンサ値を得られるようになります。

helloworldプログラムのソースコード helloworldプログラムのソースコード 
光センサのAPIを追加
hellowordlプログラムにLED点灯を加えた後の実行の様子 画像5 hellowordlプログラムにLED点灯を加えた後の実行の様子 
これでより正確なセンサ値を得られます

(案2)光センサの周りに遮光スカートを付ける

 もう1つの方法は、RCXのときに多くの参加者の方が付けていた遮光スカート(センサの周りにまくもの)を使用することです。

 遮光スカートを付けることで、万が一斜め横や反射されてきた光が入ってきても、遮断することができます。昨年の取材時にチーム「すねいる」さんがとてもきれいな遮光スカートを付けていましたので、それを参考にすると良いかもしれません。

昨年参加されていたすねいるさんのRCX 画像6 昨年参加されていたすねいるさんのRCX



 さて次回はついにETロボコンの核心部分である、モデルの作成に入ります。5〜6月にかけて行われた参加者向けの技術説明会の内容も踏まえ、組み込みシステム開発におけるモデリングの手法について1から学んでいきたいと思います。

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