部品を一体化させることにより、工数削減および管理品目を削減させ、コストダウンをもっと追求してみましょう!
複数のステーの位置精度は組み付き先には関係ありません。板金にステー部を作りこんでしまいます。図4の形状なら、タレパン(タレットパンチプレス)で抜いて、曲げ加工をすれば製作できます。
40本あったネジが一切なくなったうえ、部品点数も1つとなり、工数は大幅削減されてコストダウンされました。
メリット
デメリット
この板金一体化構造について以下のAdobe Flashで説明しました。
■こちらから(別窓でAdobe Flashプレイヤーが開きます)
図5の筐体は、4カ所のネジ止めによってカバー(オレンジ色)を取り付けるようになっています。
まずネジ穴と取り付け穴を目視により合わせてから、次にカバーの位置を合わせ、最後にドライバーでネジ止めします。 しかし、この方法だと1つ1つ位置合わせをしなければならず、作業がはかどりません。ですから、上下左右の位置合わせを1回で完了できるように検討しましょう。
上下左右の位置を合わせるため、ボックス側にスリットを空け、カバー側にはそのスリットに合わせた爪形状を作ります(図6)。この爪をスリットに入れ、なおかつ下方に突き当てることにより、上下左右の位置合わせが一発で可能となります。ネジ止めも2カ所で十分となり、組み込み工数の削減もできます。
また爪部に逆止めの突起を形成し、引っ掛けて固定する構造(インロー)にすることで、ネジ止めをなくします。これならネジも不要となるし、組み付け作業も楽になります。
この構造を以下のAdobe Flashで説明しました。
■こちらから(別窓でAdobe Flashプレイヤーが開きます)
板金加工には、さまざまな加工方法を組み合わせられるという利点があります。コストダウンを行うのに最も適しているのが板金加工ともいわれている理由はここにあります。また、立体形状になればなるほど、板金の特性を生かせます。
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次回は、必要仕様を考慮しながら切削加工から板金加工へVAしていく事例を紹介します。お楽しみに!(次回に続く)
舩倉 満夫(ふなくら みつお)
製造業に生きて40年、省力化機器製造会社、プレス金型製造会社、半導体製造装置、金型製造会社、ワイヤハーネス用全自動端子圧着機製造会社と経験し、運良く工場内でメンテナンス、機械加工、組み込み、設計、品質管理、生産管理、購買部とものづくりのあらゆる工程を経験。この特異な経験と知識を生かした最適加工および工法により、数々の設計改善・コストダウンを実施してきた。さらにビジネスへと展開するべく、2001年、フナックス・エンジニアリングを設立し、現在に至る。モットーは「仕様に基づいた品質の追求」。
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