CFDやVRによる風洞実験などを活用して開発した自転車競技用エアロヘルメットCAEニュース

ダイアテックは、オランダの自転車競技チームが使用して話題となったエアロヘルメット「AERO HEAD MIPS II」の販売を開始。CFDやVRによる風洞実験に加え、チームの意見を反映し、調整を重ねて開発した。

» 2024年12月20日 09時00分 公開
[MONOist]

 ダイアテックは2024年12月6日、GIROのエアロヘルメット「AERO HEAD MIPS II(エアロヘッド ミップスII)」の国内販売を開始した。価格は7万9200円(税込み)となる。

 AERO HEAD MIPS IIは、オランダの自転車競技チーム、ヴィスマ・リースアバイクが2024年のタイムトライアル(TT)で使用したことで、大いに注目されたエアロヘルメットだ。CFD(Computational Fluid Dynamics:計算流体力学)やVR(仮想現実)を使用した風洞実験を実施し、ヨナス・ヴィンゲゴー選手を含む同チームからのフィードバックを得ながら、調整を重ねて開発された。

ヴィスマ・リースアバイクが使用したエアロヘルメット「AERO HEAD MIPS II」 ヴィスマ・リースアバイクが使用したエアロヘルメット「AERO HEAD MIPS II」[クリックで拡大] 出所:ダイアテック

 体の中に頭を入れるような近年のTTポジションに合わせて、手と顔の隙間を埋めて肩や背中に風がスムーズに流れる形状になっている。

「AERO HEAD MIPS II」開発の様子 「AERO HEAD MIPS II」開発の様子[クリックで拡大] 出所:ダイアテック

 ヘルメットの内側は、先端から後方まで大きく空気が流れる道が通っているため、高強度で走るタイムトライアルでも涼しさを確保できる。バイザーはマグネットで取り付け可能で、取り付けた場合も顔と先端の間から空気が入り込み、ヘルメットを循環する。

「AERO HEAD MIPS II」の内側 「AERO HEAD MIPS II」の内側[クリックで拡大] 出所:ダイアテック
バイザーはマグネットで取り付け可能 バイザーはマグネットで取り付け可能[クリックで拡大] 出所:ダイアテック

 安全対策にも気を配っている。外側のシェル部分と内側のEPSフォームを一緒に熱成形するインモールド成形を採用し、外側のシェルがEPSを下まで覆うことで強度を高めている。また、内側にはMIPS(多方向衝撃保護システム)を搭載し、落車時の衝撃を吸収する。安全基準が高い米国のCPSCやEU加盟国の安全基準CE EN1078、JCF(日本自転車競技連盟)の認証を受けている。

 提供サイズはLで、重量は575g(本体467g、バイザー108g)。ヘルメットがぴったり収まる専用ケースと、2種のバイザー(カールツァイス製、グレーとクリア)が付属する。本体カラーは、マットホワイトとマットブラックを用意する。

「AERO HEAD MIPS II」マットホワイト 「AERO HEAD MIPS II」マットホワイト[クリックで拡大] 出所:ダイアテック

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