2次元CADの場合、図形は平面図で表現されるため、設計者ですら、しっかりとした形状のイメージを持てない人も多いかと思います。設計者でさえそのような状態ですから、設計部門以外の組み立て担当者や部品手配の担当者は、2次元平面に描かれた図形を立体的にイメージすることは困難であり、製品が複雑になるとまったく理解できない状態になります。そのような問題は、3次元CADが解決してくれます。
3次元CADの特徴は、次の2つに大別できます。
ところが、3次元CADを使うと設計時間は2次元CADに比べると延びる傾向にあります。
3次元CADは2次元CADとは比較にならないほどの数の操作コマンドを持ち、モデリング手順は何通りも存在するために、設計者の頭の中は「部品のイメージ半分、モデリング方法の迷い半分」状態となってしまうためです。
また、より具体的に部品が画面上に見えてしまうため、部品の存在意義や機能もそこそこに、細かい形状をデザインして「カッコ良くする作業」に時間を取られがちです。さらに、曲面のある複雑なモデルの形状を変更しようとすると、エラーが発生したりします。
3次元CADを操作するうえで、設計者が現実に体験する一般的な問題点を列記します。
編集部注*マシンのスペックにより異なる場合があります。
このように、3次元CADにはデメリットがたくさんあり、詳細設計に時間がかかります。しかしながら、3次元CADを導入すると設計期間が短縮するのです(図4)。
これは、「立体的な視覚効果」と「モデリングデータの2次利用」によって設計部の下流工程部門において、コンカレントに業務を進めることができるため開発工程が大幅に短縮されるのです。
キーワード:コンカレントエンジニアリング
設計から製造、資材調達、営業など、開発にかかわる関連部門が同時並行で業務を行うことで、開発期間の短縮やコストダウンを実現する手法をいいます。 |
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3次元CADの最大のメリットが、「立体的な視覚効果」と「モデリングデータの2次利用」であることを理解していただいたと思います。次回は、開発期間を大幅に短縮する機能である「モデリングデータの2次利用」について、詳しく解説します。(次回に続く)
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