開発ステップの移行前ごとに、DR(デザインレビュー:設計審査)※があり、関連部門のスペシャリストが皆さんの設計した内容を審査します。このデザインレビューの結果によって、次ステップに移行してもいいか判断が下されるのです。
しかし、デザインレビューで、関連部門からダメ出しを受けてしまっては、夜遅くまで残業して一生懸命設計した時間が無駄になり、さらに短期間で修正設計するという「悪魔のサイクル」に陥ってしまいます。
キーワード:DR(設計審査) DRとは、「アイテムの設計段階で、性能・機能・信頼性などを価格,納期などを考慮しながら設計について審査し改善を図ること。 審査には設計・製造・検査・運用などの各分野の専門家が参加する。」とJISで規定されています。要約するとデザインレビューは、次のように理解することができます。 1)開発する製品の要求仕様(仕様・品質・コスト・納期・安全性・環境など)を、有識者によって客観的に評価、審議する。 2)開発の早い段階で問題を明確にし、対策を提案し、関連部門の協力の下、手戻りやトラブルを未然に防止する。 つまりデザインレビューは「品質活動保証の一部」といえるのです。 |
その悪魔のサイクルを絶つためには、品質保証体系図の中の技術部門が担当する設計完成度レベルを上げなければいけません。設計完成度レベルを向上させるためには、次に示す設計基本要素に留意して設計していなければいけません。
あの日、上司から「製品仕様でも読んで……」といわれたはずです。そのときはあまり重要視していなかったかもしれませんが、設計を行うに当たって製品仕様は基本中の基本です。つまり、「こんな機能が必要だろう」など自分勝手に判断して設計してはいけないのです。
また、安全性や環境性の基準についても、日ごろからどうあるべきか規格や世間情勢を調べて理解しておく必要もあるのです。
ある程度設計が進んだ後で、これらの設計基本要素に準じているかを確認しても、もう手遅れです。暗中模索で設計をしていては、このような考えになりがちです。設計作業の先に何が待ち構えているかを知るだけでも、設計基本要素の検討がしやすくなります。
この設計基本要素の検討を製品に効率よく盛り込むことができるのが、構想設計です。構想設計こそが、製品の素性(良い製品・悪い製品)を決める遺伝子(設計図)です。
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次回は、開発設計の中で製品の遺伝子を決定してしまう構想設計について解説します(次回に続く)。
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