車載向けOSやミドルウェアで知られているヴィッツは、TOPPERS/OSEKカーネル Version1.0をベースにした自動車統合制御用組み込みOS「保護機能OS」のデモを展示。現時点ではメモリ保護機能のみだが、将来的にはそれに加えて時間保護機能を実装する予定とのこと。デモでは意図的にメモリ保護違反を発生させるシステムを構築し、既存のTOPPERS/OSEKカーネルと保護機能OSそれぞれの挙動を比較していた。
NECシステムテクノロジーは、C言語ベースLSI設計ツール「CyberWorkBench」のプレゼンテーションとデモで注目を集めていた。ソフトウェアだけでなくハードウェアもC言語で記述できるだけでなく、動作シミュレータによってハードウェアを実装することなくソフトウェアも含めた動作検証が行えることが重要だという。ハードウェアの不具合も修正できるし、ソフトウェアでムリにカバーするよりもパフォーマンスも出る。
正式な製品発表は2006年7月で第3四半期出荷予定とのことであるが、NECグループ内ではすでに使われており、CyberWorkBenchで設計されたシステムLSIによる売り上げは年間数百億円に達するという。C言語設計ツールの分野は、ほかにもメンター・グラフィックスやソリトンシステムズ(+米国Y Explorations)などが出展しており、それぞれ来場者の関心も高かったようだ。
アームブースでは、京都マイクロコンピュータがARM1136(Freescale i.MX31)を搭載した評価ボード「KZM-ARM11-01」を展示。サードパーティでARM11を搭載したボードは初(同社辻氏談)とのこと。8月1日正式出荷予定のデバッガソフト「PARTNER バージョン5」も展示。フローティングウィンドウを意図したとおりの場所に配置できるなど、使い勝手も良さそうであった。
今年のESECもまた、非常に多くの来場者で会場はいっぱいだった。これからまますます巨大化するのか、それともいつか縮小していくのか。人であふれる会場を見ると、ついCOMDEXやWINDOWS WORLD Expoといった巨大展示会の盛衰を思い出してしまう。
さて、来年のESECはどうなっているだろうか?
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