1回の公演にかかる時間は約30分と、この手のアトラクションにしては時間が長い。入退場の時間も含めると、入場締め切りからショー終了まで約50分もかかるのだ。館内にトイレもなく、待機場所は屋外で簡素な屋根がある程度なので、寒暖が厳しい日や雨天時などはそれなりの準備と心構えが必要だ。
円形上のステージは400席ほどあり、かなり傾斜がつけられているので後ろの方の席でも見やすい。
トヨタグループ館の基本コンセプトは「地球循環型パビリオン」。風力発電機で生み出した電力でパビリオンの消費電力をまかない、建物外周の構造体はリユースを前提にしたもので、外壁も古紙再生紙というこだわりぶりだ。このパビリオンで「21世紀のモビリティの夢、楽しさ、感動」をテーマにしたロボットショーがくりひろげられる。
まず登場するのが、2足歩行型のヒューマノイド。身長は145センチと本田技研工業のASIMO(120センチ)より高く、体重はASIMOの52キロに対してトヨタのは40キロと、身長と体重のバランスがより人間に近くなっている。見た目も足がスラッと伸びていて非常にスマートだ。
人間の活動をサポートする「パートナーロボット」としてトヨタが開発したこのヒューマノイドの得意技は「楽器演奏」。人の唇の動きを再現する「人工唇」を備え、ロボットハンドを駆使してトランペットなど管楽器を演奏できるのだ。
ショーでは、バンドを組んでの演奏のほかに、DJを担当するDJロボットが登場し、人間の司会者との軽妙な掛け合いで華やかにステージを盛り上げていた。
続いて「三次元の未来派オペラ」をイメージしたメインショーが始まる。光と音とパノラマスクリーンによる映像、そしてパフォーマーによる独創的なダンスが繰り広げられた後、登場するのが一人乗りの未来コンセプトビークル「i-unit」だ。
このモビリティの特徴は、低速姿勢モードでは縦型の最小スタイルになり、高速姿勢モードでは低重心の安定したフォルムに変わる可変スタイルシステム。自由に移動したいというニーズと、社会や自然との調和・共生を高次元でバランスさせているのだ。
そして最後に登場するのが、搭乗2足歩行型のモビリティ「i-foot」だ。
人間の体を包み込むようなスタイルの搭乗できる上半身と、“ガンダムの足”を組み合わせたようなそのスタイルは、まさにアニメやSF映画の世界が現実となったようだ。人間の体重含めて200キロ前後にはなっていると思われる重量級ボディが、ガシンガシンと歩く様は、ロボット世代には「ああ、ロボットもとうとうここまできたんだ」と感動すること必至だろう。
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