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経済構造の国際体系「SNA」ってなんだ? 初歩から学ぶ経済の仕組み!イチから分かる! 楽しく学ぶ経済の話(1)(1/5 ページ)

勉強した方がトクなのは分かるけど、なんだか難しそうでつい敬遠してしまう「経済」の話。モノづくりに関わる人が知っておきたい経済の仕組みについて、小川さん、古川さんと一緒にやさしく、詳しく学んでいきましょう!

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ごあいさつと本シリーズの狙い

 こんにちは、株式会社小川製作所の小川と申します!

 今回の新シリーズでは、経済の構造に詳しい「古川さん」へのインタビューを通じて、製造業に関わる人も知っておきたいお金にまつわる知識を、一緒に楽しみながら学んでいきましょう。

 「国内経済での製造業の重要性」「負債でお金が生まれる」「賃金は付加価値から生まれる」など、知っているようで知らない経済構造の基本を気軽に学んでいきましょう。仕事や生活の上で役立つ情報や知識が、きっと増えるはずです!

本連載の登場人物

小川さん:学生時代アメフトで鍛えた、体育会系機械エンジニア&金属加工職人。経済統計に興味があり、趣味で統計データを共有する情報発信を続けている。ラーメン好き(現役時代よりも体重が増えていることは家族に内緒)。


経済構造に詳しい古川さん: 元エリート銀行マンで、現在は起業しスタートアップの事業支援など、製造業を中心としたエコシステムの構築を進めている。大学の非常勤講師や、地域経済活性化のための委員なども務める。実は照れ屋。


(※)編集部注:本記事はフィクションです。実在の人物、団体などとは一切関係ありません。

「経済の構造」をやさしく学ぼう!

古川さん、こんにちは! お久しぶりです!!


小川さん、こんにちは。いろいろと経済統計の共有を頑張っているみたいですね。


今回は以前お願いした通り、「製造業関係者が知っておきたい製造業のお金の話」について教えてください!


分かりました。せっかくですので、「経済の構造」を体系的に学びつつ、製造業の立ち位置や重要性についてもやさしく解説していきましょうか。製造業だけでなく、経済全体の仕組みも一緒に学べると思います。


本当ですか!? ぜひお願いします! 


あぁ、ただ「経済学」の知識がそれほどあるわけではないのですが……。大丈夫ですか?


もちろんです! 普段の生活や仕事と照らし合わせながら、簡単に理解することができるはずですよ。


経済構造の国際共通体系「SNA」

さて小川さん、実は経済構造は国際的に共通の体系で把握できることをご存じですか? 英語では「SNA(System of National Accounts)」と呼ばれています。日本語では「国民経済計算」、または日本版SNAということで「JSNA」として知られていますね。


SNAという体系があるとは知りませんでした。とても興味深いです! ぜひ私のような経済素人でも分かるように、教えてください!!


では、どこまでかみ砕いて説明できるか分かりませんが、やってみましょう!


今回は、日本語表記のJSNAを基本として説明していきますね。専門用語が多いととっつきにくいと思いますので、できるだけ簡略化してお伝えしましょう。


お願いいたします! 概念を厳密に把握するというよりは、ざっくりと全体感や仕組みを知りたいです!


SNAは私たちの経済活動を通じて生み出された「付加価値」を出発点とします。付加価値はそれぞれの主体で分配/調整されて「可処分所得」となり、消費などが行われた結果「貯蓄」が生まれます。さらに「投資」や「資金調達」が行われ、それらが1年間の収支「フロー」と残高「ストック」に記録される、という一連の流れが体系化されています。


この流れを次のように図解してみましたので、こちらをご覧ください(ドヤ!)



図1:国民経済計算(SNA2008)体系図[クリックして拡大] 出所:小川製作所

……?


えぇと、ちょっといきなり飛ばし過ぎましたかね。これから1つずつ説明していきましょう。


補足すると、この図は私たちの経済活動を網羅的に体系化しています。本当は体系の中で、もう少し細かく、各勘定で複式簿記の形で提示されているのですが、私の方で理解しやすいようデフォルメしてフロー図にまとめてあります。


これから説明していく内容が全体の中でどのような位置にあるのか、その都度この図に立ち戻って確認する事をおススメします。


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