経済構造の国際体系「SNA」ってなんだ? 初歩から学ぶ経済の仕組み!:イチから分かる! 楽しく学ぶ経済の話(1)(2/5 ページ)
勉強した方がトクなのは分かるけど、なんだか難しそうでつい敬遠してしまう「経済」の話。モノづくりに関わる人が知っておきたい経済の仕組みについて、小川さん、古川さんと一緒にやさしく、詳しく学んでいきましょう!
「付加価値」ってなんだろう?
経済活動の基本は、私たちの仕事を通じて付加価値を生み出す事です。その過程を説明したのが、最上段の「生産勘定」という部分です。
産出額の横に付加価値(総)と中間投入と書いてある部分ですね。
その通りです。まずは今回、この部分を説明していきましょう。SNAでは、産出額から中間投入を差し引いたものを「付加価値」としています。中間投入とは、生産の過程で使われた原材料費や光熱費を含むモノやサービスを指します。
- 付加価値 = 産出額 - 中間投入
ビジネスで言えば産出額とは「売上高」、中間投入は「外部購入費用」に相当しますね。
なるほど、私の理解している付加価値の式(控除方式)と用語は違いますが、同じ考え方には基づいていますね!
- 付加価値 = 売上高 - 外部購入費用
はい、こちらの式は企業活動における付加価値を計算する際に用いられる計算式ですね。SNAでは付加価値を生み出し得る経済主体として企業以外も想定しているので、より一般化した用語を使っているのかもしれません。
そうなのですね。では、ビジネスの感覚で言えば付加価値≒粗利(売上総利益)と考えてよさそうですね。
はい、ざっくりとそのようなイメージで捉えてもらって差し支えないと思います。さらにSNAではこの付加価値を経済活動別に算出し、それらを合計して「国内総生産(GDP:Gross Domestic Product)」、すなわち国内で生み出された付加価値の合計値を出しています。
つまり、GDPとは皆さんの仕事などを通じて生み出した付加価値の合計という意味になるわけです。
国内総生産や付加価値と聞くとなんだか難しく聞こえますが、「仕事の金銭的価値」と捉えれば一気に身近な言葉になりますね!
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