巨額減損、トップ辞任…… “有事”のニデック新社長が語った「原点回帰」:製造マネジメントニュース(2/2 ページ)

» 2026年10月02日 07時15分 公開
[長沢正博,MONOist]
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「夢を与えてくれた」創業者への思いと新ニデックへの決意

 戒田氏は大学卒業後、リードエレクトロニクス(現ニデックアドバンステクノロジー)に入社し、日本電産リード(現ニデックアドバンステクノロジー) 代表取締役社長などを務め、2024年にニデックの専務執行役員 最高技術責任者に就任した。

 70歳での社長就任に当たっては、「今は“有事”の状態だ。私がその有事対応ができる数人の中の1人だったと理解している。グループ10万人の従業員を抱える中、50年の職業人生で最後の奉公、貢献として引き受けた」と戒田氏は語る。

 報道陣に問われる形でニデック創業者である永守重信氏に言及する場面もあった。

「永守氏とは(当時の日本電産がリードエレクトロニクスに資本参加した)1997年に出会い、日本電産リードの株式上場という大きな仕事もさせてもらった。ある意味で、当時40人程度の小さな会社に、大きな夢を与えてくれた。ニデックグループの中で、ニデックアドバンステクノロジーは、非上場から上場した唯一の会社であり、そういった面では非常に感謝している」(戒田氏)

今後の経営方針 今後の経営方針[クリックで拡大]出所:ニデック

 ただ、不正会計問題を調査する第三者委員会の調査報告書では「短期的な利益を最優先する企業風土」や「永守氏の意向を優先する風土」「営業利益目標の達成に向けた強すぎるプレッシャー」が不適切会計の背景として指摘された。

 それに対して戒田氏は「事業をやる上で、どこの企業でもプレッシャーのない事業はない。受け取った側で、それをどのように解釈したか、にもよる。ニデックのグループの中で、仮に全てに対して同じプレッシャーがかかっていたとしても、正しく行っている事業体もたくさんある。風土にしてもプレッシャーにしても簡単には語れないと思っている。海外にはニデックより歴史のあるグループ会社があり、100年企業もたくさんある。旧体制では、それぞれのブランドをリスペクトしていた。今後は、それぞれのブランドを守りながらガバナンスを構築していくというのが、新しい風土になっていく」(戒田氏)

 自身については第三者委員会からは「1秒もヒアリングを受けていない」として、潔白を語った。

 各事業領域に最高技術責任者(CTO)を配備し、グループ内のCTOサミットなどを通じて、グローバルの各拠点に散らばるグループ内の技術を有機的につなぎ合わせ、共通プラットフォームで活用していく取り組みを始めている。同様の取り組みはCFO(最高財務責任者)やCLO(最高法務責任者)でも始まろうとしている。「グループ内で互いの技術を共有できていない。それらのプラットフォームを構築して、成長性の高い分野に展開していきたい」(戒田氏)。

 「技術はうそはつかない」と戒田氏は強調する。「技術は1〜2日ではできない。人づくりがモノづくりという基本に立ち返り、技術を磨いていきたい。この技術がないと世界が困るという会社にしていきたい」(戒田氏)。

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