ニデックが記者会見を開き、社長交代および発表を延期していた決算内容に関して説明した。3時間を超えた記者会見の中で、本稿では新たに社長執行役員に就任した戒田理夫氏の発言を中心に紹介する。会見では、創業者の永守重信氏に言及する場面もあった。
ニデックは2026年10月1日、同社の本社(京都市南区)およびオンラインで記者会見を開き、社長交代及び発表を延期していた決算内容に関して説明した。3時間を超えた記者会見の中で、本稿では新たに社長執行役員に就任した戒田理夫氏の発言を中心に紹介する。
ニデックは同年9月29日、前代表取締役社長執行役員 兼 最高経営責任者の岸田光哉氏が「財務報告に関し必ずしも適切とは言いかねる言動もあったことが確認された」などとして、同氏が辞任し、戒田氏が新たに社長執行役員に就任する人事を発表した。9月30日には、延期していた2026年3月期通期(2025年4月〜2026年3月)の決算を発表。売上高はMOEN(家電・商業・産業用)において、北米のデータセンター向けの旺盛な需要に支えられ、オルタネーターを筆頭に好調で、前期比3.9%増の2兆7087億円だったが、非金融資産などで6321億円の減損損失を計上し、営業損益は5190億円の赤字、最終損益は5646億円の赤字となった。
戒田氏は冒頭、一連の会計問題、品質問題への対応を進める中で再び経営トップが交代する事態になったことを謝罪。その上で、「ニデックを立て直し、再び信頼していただける状態にすることが私の使命だと思っている。最も重要なのは、企業としての原点に立ち戻り、まずは適正な決算をできるようにし、本来のニデックの持つモノづくり、人づくり、そして品質を第一にした会社に戻すことだ」と語った。
巨額の減損を計上した要因として、戒田氏は内部環境と外部環境を挙げた。内部環境ではモーター事業で全方位の拡大を続ける中で短期業績を重視した管理手法が、外部環境では、EV(電気自動車)需要の失速やSDV(ソフトデファインドビークル)の加速による車載事業の価格競争激化やコロナ禍後の家電市場の需要急減に伴う過剰設備投資が減損につながったと説明した。
その上で、「今後はポートフォリオの転換、ROIC(投下資本利益率)とWACC(加重平均資本コスト)に基づく財務基盤の早期回復を目指す。車載、家電に関しては聖域なき構造改革を実施する」(戒田氏)とし、従来の家電、エネルギー/インフラ、AI/半導体、工作機械、車載という事業の5本の柱のうち、減損につながった家電および車載事業のリソースを、エネルギー/インフラ、AI/半導体、工作機械事業に振り向け、「経営資源を重点領域へ選択と集中をしていく」と話した。
一方、車載関係が売り上げの25%を占めていることにも触れ、大きな減損を出したものの「車載は非常に大きな市場であり、技術が失われたわけではない」と強調。これまで培ったモーター技術をeVTOL(電動垂直離着陸機)などの航空宇宙分野へ展開していく意向を示した。また、今後のポートフォリオに関しては「すぐに止められる事業もあれば、お客さまとの関係ですぐには止められない事業もある。3〜5年の計画の中で、何を残すのかポートフォリオの直しを進めていく」という見方をした。
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