PFUが開発中の外観検査設計ソリューションが、「NEDO Challenge 製造業DX」のテーマ2で第1位を受賞した。CADデータや設計上の要求を基に、発生し得る傷や打痕の形状を仮想空間上に生成し、製造前の外観品質の基準づくりから検査設備の構成検討までを支援する。
PFUは2026年9月24日、開発中の「『作る前に品質を決める』外観検査設計の自動化ソリューション」が、「NEDO Challenge 製造業DX」のテーマ2「新たな製造ノウハウの構築に関するデジタルソリューション開発」で第1位を受賞したと発表した。
PFUが開発を進めている「『作る前に品質を決める』外観検査設計の自動化ソリューション」が、「NEDO Challenge 製造業DX」のテーマ2「新たな製造ノウハウの構築に関するデジタルソリューション開発」で第1位を受賞した[クリックで拡大] 出所:PFU製品の外観検査では、図面に「傷なきこと」などと記載され、具体的な良否基準を製造後に現物を見ながら決める場合がある。照明やカメラの選定、良品/不良品のサンプル収集、検査条件の調整を熟練者の経験に頼る現場もあり、工程間の認識の差や手戻りにつながっているという。
PFUは、製品を作った後に品質基準や検査方法を決めることを課題と捉え、設計段階で外観品質を具体化し、量産前から検査体制を検討できる仕組みを開発している。
同ソリューションは、製品の設計/加工情報を基に、外観品質の定義から検査設備の構成検討までを仮想空間上で支援するデジタルプラットフォームだ。製品設計、製造、検査設備開発を担う各企業が外観品質や検査条件などの情報を共有し、量産開始前に外観検査体制を構築できる環境を目指す。
まず、製品のCADデータや設計上の要求を基に、発生する可能性がある傷や打痕などの欠陥形状をデジタル空間上に生成する。これを用いて、どの程度の欠陥までを良品とするか、製品を作る前に基準を具体化する仕組みだ。同ソリューションでは、不良を完全には排除できないことを前提に、起こり得る不具合も設計情報として扱う。
また、PFUがスキャナーなどの製品開発で培った光学技術を活用し、照明の波長や偏光、対象物の反射特性などを考慮して、欠陥がカメラにどう映るかをシミュレーションする。これにより、実際の部品や不良品サンプルを用意する前から、欠陥を検出できるかどうか検討できるという。
さらに、照明、カメラ、レンズ、撮像位置の組み合わせを探索し、検査精度や設備コスト、納期などの条件に応じた構成案を提示する。設計段階で定めた外観品質や欠陥形状、検査条件に加え、生産数量や製造ラインの条件も共有することで、後工程との認識の差を減らす狙いだ。
同コンテストでは、設計段階にさかのぼって外観品質を定義するという問題設定や、設計から検査設備構築までを横断して課題を解決する構想が、審査委員から評価されたという。
PFUは、2024年度に採択された石川県の成長戦略ファンド事業の一環として、石川県工業試験場と連携し、検査設備の構築に向けた技術検証を行った。照明やカメラの条件探索に要した時間は、担当職員による手作業では6時間だったのに対し、同ソリューションを用いたシミュレーション探索では30分となり、90%以上短縮された。
また、この検証条件下では、担当職員が候補から除外した照明の組み合わせの中から、シミュレーションによって検出性能の高い構成を発見し、欠陥の検出率が71.5%から85.1%に向上したという。
同社は今後、再現する欠陥の種類や光学部品の情報を増やすとともに、実際の部品とシミュレーション画像の再現性を高め、事業化に向けた検証を進める。
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