3D形状で過去の設計資産を横断検索、重複部品の新規設計防止へメカ設計ニュース

Sceneは、3D形状から過去の設計資産を探せる「3D類似検索」のβ版を2026年10月から一部の顧客に提供する。類似する部品やユニット、装置に加え、それらにひも付けて保存された仕様書やレビュー指摘、不具合情報なども検索でき、既存部品と重複する部品の新規設計防止や設計資産の活用を支援する。

» 2026年09月24日 09時00分 公開
[MONOist]

 Sceneは2026年9月9日、製造業向けデジタルワークスペース「Scene Workspace」の新機能として、「3D類似検索」のβ版を同年10月から一部の顧客に提供すると発表した。

 設計中の3D形状を検索キーとし、品番や命名規則を知らなくても、過去の類似部品などの設計資産を横断して探せる。既存部品と重複する部品の新規設計を防ぎ、部品の標準化や関連部門で発生するコストの抑制を図る。

設計の工数以外にも発生する費用 設計の工数以外にも発生する費用[クリックで拡大] 出所:Scene

 3D類似検索では、部品単品またはサブアセンブリの3D形状を検索キーとして使用する。品番を入力せずに、類似する部品単品だけでなく、その形状を含むサブアセンブリや、そのユニットが使われている装置まで、階層をまたいで検索できる。

 Scene Workspace上で3Dモデルにひも付けて保存された仕様書や設計レビューでの指摘、過去の不具合と対策、見積もり、原価、サプライヤー情報などにもアクセスできる。形状を入り口として、設計判断の背景を含む関連情報までまとめて引き出すことが可能だ。

「3D類似検索」のイメージ 「3D類似検索」のイメージ[クリックで拡大] 出所:Scene

 設計だけでなく、見積もりや調達、品質、生産技術などでの活用も想定する。引き合いや見積もりでは、過去の類似装置に関する実績原価やサプライヤー情報を参照し、見積もりの迅速化や赤字受注の防止に役立てられる。構想設計では、類似ユニットとその仕様書、設計経緯を引き継ぐことで、一から設計する手間の削減につなげる。

 設計レビューでは、過去の指摘やトラブル報告書、検査データを形状から検索し、手戻りの防止や開発のフロントローディングに活用できる。生産準備では、類似装置の組み立て工程や作業手順書、治具を流用し、立ち上げ準備の短縮を図る。

「3D類似検索」の利用場面 「3D類似検索」の利用場面[クリックで拡大] 出所:Scene

 同社によると、社内で保有する部品番号の30〜40%は、重複または代替可能とされる。また、国内の実態に合わせ、新たな部品番号を1件追加して管理し続けることで発生する調達、品質、製造準備、在庫、マスター管理などの費用を、年間約30万円とする保守的な目安を設定している。3D類似検索を用いて、既存部品と重複する部品の新規設計や追加を防ぎ、こうした費用の発生を抑える狙いだ。

 Scene Workspace上で設計レビューや手順書作成などの業務を行うことで、蓄積したノウハウを次の設計で検索、活用できるようになる。3D類似検索はWebブラウザから利用でき、3D CADのライセンスを必要としないため、設計者だけでなく、見積もり、調達、品質、生産技術の担当者も同じ検索機能を利用できる。

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