デモンストレーション環境の最初の工程は、自動フォークリフトのラピュタAFLが入庫作業を担うところから始まる。ラピュタAFLは運転者を介さずに荷物を搬送し、他社製のパレット自動倉庫へと入庫する。パレット自動倉庫内では、パレットに荷物を載せたまま保管するか、パレットから荷物を分け降ろして(バラにして)ピッキングに回すかの選別が行われる。
続いて、バラで保管される荷物を自在型自動倉庫のラピュタASRSへと補充する。この工程では他社製のロボットアームが稼働し、パレット自動倉庫から必要な荷物を自動でピッキングして、ラピュタASRSの搬送用ビン(箱)に積み付ける。
ラピュタASRSは、ポール、フロアパネル、ベースブロックという3つの部品で構成されている。各部品の接合にはネジやボルトなどは不要で、樹脂製で軽量であるためレゴブロックのように手作業で自由に組み替えできることが特徴だ。ラピュタASRS内では、各階層を走る自動充電式搬送ロボットがビンを持ち上げ、ポール間を移動して搬送する。
ラピュタASRSから、ピッキングアシストロボットのラピュタPA-AMRが待つピッキングステーションへと搬送する。ラピュタASRSからラピュタPA-AMRへの積み付けは現状人手で行っている。荷物を受け取ったラピュタPA-AMRは自律走行し、作業員が画面に表示された商品をスキャナーで読み込んでコンテナへ投入し、完了ボタンを押すと作業が完了する。
今後の構想として、ラピュタASRSと他社製のピースピッキングロボットを連携させた、小物の自動ピッキングも披露した。ラピュタASRSのピッキングゾーンに設置したロボットアーム型のピースピッキングロボットが、コンテナ内の小物を認識し、自動で別のコンテナへ積み付けた。
これらの一連の流れは、全てrapyuta.ioによって一元管理されている。入荷量や人員配置、出荷計画などを考慮し、各工程の連携や処理のタイミングをシステム側で調整する。ガジャン氏はこの統合制御について、「これまでWCS(倉庫制御システム)として機能してきたが、新ソリューションにおいては、日々の制約の変化に応じて動的に調整するWES(倉庫運用管理システム)の領域まで役割を広げたと考えている」と説明した。
End-to-endソリューションの実運用に向けて、同社はまず日本の物流事業者3社を共同設計パートナーとし、システム構築を進める計画である。現在は提案段階にあるが、実際の運用環境での設計と導入を通じてソリューションを高度化し、対象となる工程や連携可能な設備を順次拡大していく。6カ月間の共同設計フェーズ後に、一般向けの提供を開始する予定だ。
またガジャン氏は、ロボットアームなどのハードウェア領域への独自展開についても言及した。「現状は外部調達したロボットアームを、rapyuta.ioで制御することに注力している。しかし、今後はアームの吸着部分など、ハードウェアの開発も検討している。現在は3Dプリンタなどでさまざまな吸着パッドを試作しており、顧客とともに現場での実証を進めていきたい」
ソフトウェアによる統合制御の強みに加え、今後は現場の細かなニーズに応える末端のハードウェア最適化にも取り組むことで、End-to-endソリューションの提供価値をさらに高めていく構えだ。
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