国分北海道は、道内のハブ機能を担う札幌物流拠点にAMRを導入した。作業人員を半減させつつ生産性を約2倍へ向上させた。人員確保が難しい北海道の物流網維持に向け、人とロボットが協働する次世代の物流モデルを構築する。
食品卸である国分グループ本社のエリア企業、国分北海道は、全国から集まる食料品/酒類を、道内の小売店や外食店などに届ける、道内の食を支える卸売企業として存在している。中でも、同社札幌ロジスティクスセンターは、道内に7拠点ある物流ネットワークにおけるマザーセンターとして機能し、札幌に加えて帯広、恵庭、釧路、北見、旭川、函館など道内全域への供給を担う心臓部である。約1万6000m2の倉庫に約1万4000SKU(在庫保管単位)の多種多様な商品を在庫し、年間取扱量は約630万ケースにのぼる。
「北海道内の物流戦略は、本州とは異なる独自の視点が求められる」と、国分北海道 物流・システム部物流運営課長の藤田直樹氏は語る。本州からの貨物は主にフェリーで苫小牧港や小樽港へ入るが、そこから数百km離れた地方都市へ個別に直送していては、積載率の低下と輸送コストの増大を招く。そのため、一度札幌近郊のマザーセンターに在庫を集約し、方面別に仕分けを行った上で幹線輸送便(横持ち)を走らせることで、輸送効率を最大化する「ハブアンドスポーク型」のネットワークがとられているという。
さらに、冬季の積雪や路面凍結といった過酷な気象条件も考慮しなければならない。物流を止めず、道民のライフラインを守るためには、センター内のオペレーションの効率化や省人化を進め、有事の際にも対応できる強靭な供給体制が不可欠となる。
だが、その重要拠点である札幌ロジスティクスセンターでも、深刻な労働力不足が進んでいる。労働人口の減少により、商品をさばくセンター内のパートやアルバイトの確保は年々困難となっている。
「既存スタッフの高齢化も進行しており、重量物を扱いながら広い倉庫内を歩き回る従来の作業スタイルでは、身体的な負担が大きく、生産性の向上にも限界が見えていた」(藤田氏)
この状況を打破すべく、国分北海道は協働ロボットや自動倉庫など自動化設備の導入検討に着手した。しかし、札幌ロジスティクスセンターは築30年以上が経過しており、最新の自動化設備を前提とした設計にはなっていない。天井高の低さなどの物理的制約から、大規模な自動倉庫の導入は困難だった。
また、出荷作業においてはオリコン(折りたたみコンテナ)を積載した大型の6輪手押しカートを作業員自らが押し、ハンディターミナルに表示される画面を確認しながら、対象商品の棚へ移動する。ピッキングを行って満載になったら梱包エリアまで運ぶという工程を繰り返していた。この手法では、作業時間の多くが歩行に費やされることに加え、満載時にはかなりの重量となるため作業員の身体的負担が大きかった。
そこで注目したのが、既存の棚や通路レイアウトをそのまま生かせるAMR(自律走行搬送ロボット)である。既に国分グループ内での導入実績もあったことから、ラピュタロボティクスの協働型ピッキングアシストロボット「ラピュタPA-AMR」10台の採用を決定した。
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