大阪大学らが開発したプログラム医療機器「口腔粘膜画像解析システム Mucosight AI」が、製造販売承認を取得した。AIを活用して口腔粘膜疾患の特徴を検出し、歯科医師の受診勧奨判断を支援する。
大阪大学は2026年8月4日、AI(人工知能)を活用したプログラム医療機器(SaMD)「口腔粘膜画像解析システム Mucosight AI」が、厚生労働省の製造販売承認を取得したと発表した。AIモデル開発の技術知見と計算環境はNVIDIAが支援しており、モリタ東京製作所が医療機器として製造販売などを担う。同年8月下旬頃より提供を開始する予定だ。
Mucosight AIは、一般歯科クリニックの歯科医師を対象ユーザーとするソフトウェアだ。口腔内画像を解析し、口腔がん、白板症、良性腫瘍、口内炎の特徴を持つ画像を検出して、所見情報を提供する。
歯科医師が撮影した口腔内写真をブラウザからクラウド上へアップロードすると、学習済みモデルが解析を実行し、約30秒で疾患の類似性を判定する。類似性が一定以上の数値を示した場合、結果を4色に分類した枠で画像上に提示する。確定診断ではなく、専門医のいる高次医療機関へ紹介すべきかどうかの判断を補助する情報として活用でき、出力結果は紹介状に添付可能だ。
AIモデルの開発では、病理診断が確定した画像を含む多施設から収集した約4万枚の口腔内画像を使用し、専門医が品質をチェックした上で学習と検証を実施した。NVIDIAが共同研究者として参画し、アノテーションツールやデータの前処理手法のアドバイス、AIモデル開発の支援を担当した。
大規模データの処理や予備的な解析には、大阪大学のGPU搭載スーパーコンピュータ「Octopus」「SQUID」を活用し、推論結果を専門医が検証して再学習するサイクルを繰り返すことで精度を高めた。製造販売に向けた取り組みは、モリタ東京製作所とともに進めてきた。
初期の口腔がんや口腔潜在的悪性疾患は、口内炎などとの判別が難しく、発見時には進行がんとなっている事例が多い。大阪大学の研究グループは2017年から専門医の知見とAIを組み合わせた支援の仕組みの研究に着手し、2018年からはNVIDIAの支援を受けて開発を推進してきた。
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