早期に実施可能な既存プラットフォームの相互供給に次ぐ中長期を見据えた第2段階となるのが、日野自動車と三菱ふそうの強みを融合するとともに、両社の幅広い仕入先との共創を通じて統合シナジーを最大限に活用する統合プラットフォームの新規開発だ。第1段階の既存プラットフォームの相互供給は、短期に統合シナジーを出すための施策となるが、統合プラットフォームは新型車と同程度の3〜5年の開発期間が想定されている。
ARCHION CTOの小木曽聡氏は「ARCHIONが発足するまでは統合プラットフォームの開発に向けた具体的な活動はできなかったものの、統合交渉を進めてきた約3年間で日野自動車と三菱ふそうが互い理解するためのネットワークづくりを積み重ねることができた。このネットワークを基に、4月1日から統合プラットフォームの開発に向けた活動を順調に進められている」と語る。
統合プラットフォームの開発では、日野自動車と三菱ふそうの開発基盤と幅広い仕入先を生かしながら、パワートレイン、シャシー/キャブ、エレクトロニクス、コネクテッド、自動運転といった技術要素それぞれに両社の強みを生かしていくことになる。「重点部品で品質はどっちがいいのか悪いのか、コストはどうだ、それは基準と関係があるのかなど、互いに連携して議論している。それぞれの会社にあるものは尊重していくが、ARCHIONグループとして共通のより良いものを一歩ずつ作り上げていきたい。違いがあるから大変なのではないかといわれることも多いが、違いがあるから互いに学び合えると思っている」(小木曽氏)という。
中長期的にプラットフォームを統合するものの、日野自動車と三菱ふそうのブランドは維持する。小木曽氏は「両社とも歴史が長く幅広いラインアップを持つメーカーであり、顧客とも強い信頼関係で結びついている。だからこそ顧客のニーズに応えるための差別化は、それぞれやっていかなければならない。その一方で、商用車として求められる機能は統合プラットフォームでより賢く共通化して、競争力のあるものを提供できる基盤にしていく」と説明する。
なお、統合プラットフォーム戦略ではシナジー効果で創出したリソースにより、いわゆるCASE(コネクテッド、自動化、シェアリング、電動化)技術の開発を加速することも目指している。特に自動運転技術については、日野自動車と三菱ふそうの技術に加え、大株主であるダイムラートラックとトヨタ自動車の技術支援が得られることもあり実用化に向けて高い優位性があるという。「自動運転ではフェイルセーフのための冗長系が求められるブレーキやステアリングなどをサプライヤーと共同開発していく必要がある。早期に実用化していく上で、日野自動車、三菱ふそう、ダイムラートラック、トヨタ自動車がそれぞれやっていたことを生かして1つにまとめられることは大きい」(小木曽氏)としている。
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