絶好調のスズキなど4社が国内大手3社の不調をカバー、2026年上期日系自動車生産自動車メーカー生産動向(1/5 ページ)

2026年上期(1〜6月)の日系自動車メーカー8社の世界生産台数は、トヨタ自動車、ホンダ、日産自動車の国内大手3社が中国の競争激化に苦戦する一方で、過去最高を更新したスズキをはじめダイハツ工業、マツダ、三菱自動車が好調で、2年連続の前年同期比プラスを確保した。

» 2026年08月20日 06時00分 公開
[MONOist]

 日系自動車メーカーの2026年上期(1〜6月)の自動車生産は、中東情勢の緊迫化や中国の競争激化など外部環境の変化に大きく左右された。米トランプ政権の追加関税による前年の駆け込み需要の反動減も発生した。一方で、国内生産の回復やインド市場の需要拡大などもあり、8社中4社が前年実績を上回るなど、明暗が分かれた格好となった。中東情勢の影響による世界的な燃料価格の高騰は、市場によっては、HEV(ハイブリッド車)を得意とする日系メーカーにとっては追い風となるものの、足元では7月28日に発生した令和8年熊本地震(以下、熊本地震)により各社が稼働停止に追い込まれた。すでに被災したサプライヤーでは復旧作業が進んでおり、2016年の熊本地震に比べれば、長期にわたる影響は回避できそうだ。

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 2026年上期の日系自動車メーカー8社の世界生産合計は前年同期比0.8%増の1203万8094台と2年連続で増加した。インドが好調のスズキや、国内と海外ともに回復したダイハツ工業、国内と中国が好調のマツダ、新型車が好調の三菱自動車の4社がプラスを確保した。一方で、中国の競争激化に苦戦するトヨタ自動車、ホンダ、日産自動車の大手3社と、国内工場でライン改修を実施したSUBARU(スバル)が前年実績を割り込んだ。

 国内生産の8社合計は、前年同期比2.9%増の407万9534台と2年連続のプラスだった。前年実績を下回ったのは日産とスバルの2社のみ。中東情勢の悪化により中東向けの減産はあったが、前年の中央発條の爆発事故で稼働停止した反動増や、米国関税への対応で一部メーカーが米国向け車両供給をメキシコから国内へ切り替えたことなども増加要因となった。

 一方、海外生産は、前年同期比0.2%減の795万8560台と3年連続の前年割れだった。プラスとなったのはスズキ、ダイハツ、三菱自、スバルの4社だが、台数ボリュームが大きいトヨタ、ホンダ、日産の3社が減少したことが響いた。北米は同1.1%減の285万4500台と2年連続のマイナス。半導体供給問題から回復したホンダは伸長したが、新型車への切り替えで減産を余儀なくされたトヨタの落ち込みが足を引っ張った格好だ。中国は、同15.0%減の114万7049台と低迷し、5年連続のマイナス。競争激化に加えて、中東情勢によるガソリン高騰でEV(電気自動車)需要が一層高まっていることも、日系メーカーには不利に働いた。

2026年上期(2026年1〜6月)の国内乗用車メーカーの生産実績
国内 海外 (うち北米) (うち中国) 合計
トヨタ 1,650,384 3,213,365 1,085,036 676,884 4,863,749
0.7 ▲ 2.2 ▲ 5.2 ▲ 6.7 ▲ 1.2
スズキ 484,794 1,401,791 - - 1,886,585
5.4 17.7 - - 14.3
ホンダ 361,738 1,317,899 871,963 197,874 1,679,637
10.9 ▲ 6.5 6.6 ▲ 37.6 ▲ 3.3
日産 288,212 1,032,486 557,249 224,070 1,320,698
▲ 1.2 ▲ 8.3 ▲ 4.9 ▲ 16.3 ▲ 6.8
ダイハツ 411,188 377,833 - - 789,021
12.4 8.2 - - 10.4
マツダ 388,503 212,941 147,758 48,221 601,444
11.3 ▲ 5.2 ▲ 9.5 23.6 4.8
三菱自 251,391 209,751 - - 461,142
4.9 5.5 - - 5.2
スバル 243,324 192,494 192,494 - 435,818
▲ 17.0 10.2 10.2 - ▲ 6.8
合計 4,079,534 7,958,560 2,854,500 1,147,049 12,038,094
2.9 ▲ 0.2 ▲ 1.1 ▲ 15.0 0.8
※上段は台数、下段は前年比増減率。単位:台、%
※北米は、米国、カナダ、メキシコの合計

2026年6月単月の状況

 6月単月の8社合計の世界生産は、前年同月比2.3%増の204万2565台と2カ月ぶりにプラスへ転じた。ホンダ、日産、スバルの3社が前年割れとなった。このうち国内生産は、同6.8%増の73万7488台と2カ月ぶりのプラス。国内生産の4割超を占めるトヨタが2桁%増となった影響が大きく、減少したのもダイハツとスバルの2社だけだった。

 海外生産は、前年同月より366台少ない130万5077台と2カ月連続で減少した。北米は同7.4%増の49万7724台と3カ月ぶりのプラスだが、中国は同35.1%減の17万4687台と厳しい状況で3カ月連続の前年割れだった。

2026年6月の国内乗用車メーカーの生産実績
国内 海外 (うち北米) (うち中国) 合計
トヨタ 313,234 566,087 205,076 117,131 879,321
14.6 ▲ 2.6 7.1 ▲ 19.6 2.9
スズキ 86,794 196,209 - - 283,003
4.6 38.0 - - 25.7
ホンダ 65,569 204,603 139,739 20,139 270,172
7.8 ▲ 9.9 12.4 ▲ 66.3 ▲ 6.1
日産 49,622 164,418 95,713 28,226 214,040
1.3 ▲ 18.3 2.7 ▲ 49.7 ▲ 14.5
ダイハツ 69,392 69,297 - - 138,689
▲ 4.7 36.4 - - 12.2
マツダ 71,273 38,524 26,340 9,191 109,797
17.0 10.3 12.1 23.4 14.5
三菱自 38,028 35,083 - - 73,111
4.0 1.9 - - 3.0
スバル 43,576 30,856 30,856 - 74,432
▲ 19.2 ▲ 0.3 ▲ 0.3 - ▲ 12.3
合計 737,488 1,305,077 497,724 174,687 2,042,565
6.8 0.0 7.4 ▲ 35.1 2.3
※上段は台数、下段は前年比増減率。単位:台、%
※北米は、米国、カナダ、メキシコの合計
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