絶好調のスズキなど4社が国内大手3社の不調をカバー、2026年上期日系自動車生産自動車メーカー生産動向(3/5 ページ)

» 2026年08月20日 06時00分 公開
[MONOist]

スズキ

 8社の中でも最も好調なのがスズキだ。2026年上期の世界生産は、前年同期比14.3%増の188万6585台と2年ぶりに増加し、上期として過去最高を更新。8社の順位でもトヨタに次ぐ2位につけた。けん引役は世界生産の3分の2を占めるインドで、GST引き下げによる需要拡大に対応するための増産をはじめ、カルコダ工場での第2ラインの稼働開始、新型車「ビクトリス」やEV「eビターラ」の投入などにより、同18.9%増の129万8807台と6年連続で増加し、上期のインド生産として過去最高を更新した。インド以外の海外拠点も、同4.4%増の10万2984台と4年ぶりに増加。インドネシアで「フロンクス」の生産を開始した他、新政策による需要増で「キャリイ」も大きく伸長した。その結果、海外生産トータルは、同17.7%増の140万1791台と3年連続で前年実績を上回り、こちらも過去最高を記録。8社の海外生産で最も高い伸び率だった。

 国内生産は、前年同期比5.4%増の48万4794台と2年ぶりに増加した。前年が、中央発條の爆発事故の影響により相良工場(静岡県牧之原市)と湖西第2工場(静岡県湖西市)の稼働を停止した他、中国のレアアース輸出規制の影響で「スイフト」の生産を停止した反動増が発生。前年に欧州向け「イグニス」「ジムニー」を生産終了したことも増加要因となった。さらにマイナーチェンジで販売を伸ばしている「クロスビー」「キャリイ」「エブリイ」が貢献した。輸出も同24.1%増の10万9353台と2年ぶりのプラスとなった。

 足元でもインドを中心に好調が続いている。6月単月の世界生産は、前年同月比25.7%増の28万3003台と10カ月連続で増加。6月として過去最高を更新した。8社でも最大の伸び率で、単月でもトヨタに次ぐ2位だった。インドは、GST引き下げ需要対応の増産に加えて、ビクトリスの純増、カルコダ工場第2ラインの稼働開始などで、同39.6%増の17万7950台と10カ月連続のプラス。インドの6月生産として過去最高を記録した。インドネシアやハンガリー、パキスタンも増加し、インド以外の海外生産も同24.6%増の1万8259台と3カ月連続で増加した。その結果、海外生産トータルは同38.0%増の19万6209台と10カ月連続で前年実績を上回るとともに、6月の海外生産として過去最高となった。国内生産も同4.6%増の8万6794台と2カ月連続のプラス。国内市場でのクロスビーやキャリイ、エブリイの販売好調がけん引した。輸出も同24.3%増の2万201台と伸長し、4カ月連続で増加した。

ホンダ

 ホンダの2026年上期の世界生産は、前年同期比3.3%減の167万9637台と3年連続で前年実績を下回った。スズキに次ぐ3位と順位を落とした。海外生産が低迷しており、同6.5%減の131万7899台と3年連続の前年割れ。特にEVシフトなどにより競争が激化する中国が同37.6%減の19万7874台と大幅減となり、5年連続のマイナス。中国で生産する日系4社では最も大きな減少率となった。中国はEV販売で苦戦していることに加えて、ガソリン価格の高騰も内燃機関車やHEVの販売が多いホンダにとって痛手となった。8月5日の決算会見で、同社 執行役 CFOの川口正雄氏は「モデルの端境期ということもあり、4〜6月期の販売は前年比で5割ぐらい減ってしまった」と厳しい状況を説明する。中国以外のアジアも低迷し、アジアトータルでも同30.8%減の37万6470台と5年連続で減少した。一方、主要市場の北米は、HEVの好調に加えて、ネクスペリアの半導体供給問題によりメキシコ、米国、カナダで2025年11月頃まで実施した稼働停止および生産調整に対する挽回生産もあり、同6.6%増の87万1963台と2年ぶりの前年超えとなった。

 国内生産は好調で、前年同期比10.9%増の36万1738台と2年ぶりに増加した。2026年1〜6月の国内販売を見ると、国内最量販の主力車種「N-BOX」は同1.0%減と伸び悩んだものの、「ヴェゼル」や「ステップワゴン」といった登録車の主力モデルが2桁%増とけん引した。ただ輸出は、前年に一時的に米国向け「シビック」5ドアのHEVを日本で生産していた反動で北米向けが大きく減少した結果、同10.9%減の5万1944台と5年ぶりのマイナスとなった。

 足元でも同じような状況が続いている。6月単月の世界生産は、前年同月比6.1%減の27万172台と5カ月連続で減少した。要因は海外生産で、同9.9%減の20万4603台と6カ月連続のマイナス。中国の厳しさが深刻化しており、同66.3%減の2万139台と9カ月連続で減少した。アジアトータルでも同45.1%減の5万3261台と9カ月連続で前年実績を下回った。一方、北米はHEVの好調により、同12.4%増の13万9739台と2カ月ぶりのプラスとなった。

 国内生産は、前年同月比7.8%増の6万5569台と7カ月連続で増加した。7月の国内販売を見ると、国内最量販のN-BOXがマイナーチェンジ効果で同34.7%増と大幅増となった。さらに登録車も新型EV「スーパーワン」の純増や、ヴェゼルやステップワゴンなど主力モデルが好調を維持した。輸出は同39.0%減の7333台と2カ月連続のマイナスだった。

 国内生産が好調なホンダだが、7月に発生した熊本地震の影響は避けられない見通しだ。二輪車を生産する熊本製作所(熊本県大津町)が地震で作動したスプリンクラーの影響で稼働を停止したが、四輪車でも系列サプライヤーのAstemoの子会社であるAstemo宇城(熊本県宇城市)が被災し、ショックアブソーバーなどの部品調達に支障をきたした。このため、埼玉製作所(埼玉県寄居町、小川町)や鈴鹿製作所(三重県鈴鹿市)、ホンダオートボディー(三重県四日市市)で稼働を停止する事態に発展した。

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