被締結体の厚さが40[mm]の場合として内力係数Φを求めたところ、0.152[-]となりました。前回の表1で、ボルトを締め付けていない場合にボルトに発生する応力振幅を求めており、その値は84[MPa]でした。このときのボルトの疲労限度は、前回の表2に示した114[MPa]です。
ボルトを締め付けた場合の応力振幅は以下となります。応力振幅が「ドカーン」と下がりました。
ボルトを締め付けない場合と締め付けた場合で、ボルトの疲労限度が変わるので、両者を比較したものを表4に示します。設計マージンは1.356[-]から5.085[-]に上昇しました。ボルトをしっかり締結すると“お得感”がありますね。
ボルトを締め付けた場合で、マージン(安全率)がちょうど2[-]になる繰り返し荷重を求めましょう。表5に計算結果を示します。繰り返し荷重は2万5423[N]となり、前々回の表1(2)の値です。
ボルトの初期締結力をシミュレーションモデルに反映させ、被締結体に荷重を加えて、有限要素法でボルトに発生する応力振幅を求めました。詳しくは以前のシリーズで述べています。
図9に、シミュレーションで内力係数を求める解析モデルを示します。L寸法をいろいろ変えて計算しました。図10に、シミュレーションで内力係数を求めた解析例を示します。
表6に、シミュレーションで求めた内力係数を示します。L=0[mm]の場合(このような荷重はあり得ませんが)、内力係数は0.130[-]となり、式11による結果と近くなりました。しかし、それ以外では内力係数が小さくなっています。
ボルトを締め付けた場合で、マージン(安全率)がちょうど2[-]になる繰り返し荷重を有限要素法で求めましょう。表7に計算結果を示します。繰り返し荷重は5万3679[N]となり、前々回の表1(3)の値です。
実際の内力係数が式11より小さくなることは、ボルトの研究で有名なユンカー氏も気付いていて、経験的な数値を使っていたそうです。また、このことは理論的に解明されています(参考文献[1])。
今度は「ドカーン」ではなくて「ドッカ―ン」と応力振幅が下がりましたね。応力振幅が文献に記載されている内力係数より小さくなることは、筆者は「CAE設計演習問題集」を作ったときに気付きました。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
メカ設計の記事ランキング
よく読まれている編集記者コラム