日本のモノづくりの現状を示す「2026年版ものづくり白書」が2026年5月29日に公開された。本連載では「2026年版ものづくり白書」の内容から製造業のDXや競争力などに関するポイントを抜粋して紹介する。今回は、多くの製造業の課題となっている人材確保と技能継承についての内容をまとめた。
経済産業省、厚生労働省、文部科学省は2026年5月29日に「2026年版ものづくり白書(ものづくり基盤技術振興基本法第8条に基づく年次報告)」を公開した。
ものづくり白書とは「ものづくり基盤技術振興基本法(平成11年法律第2号)第8条」に基づき、政府がものづくり基盤技術の振興に向けて講じた施策に関する報告書だ。2026年で26回目の策定となる。経済産業省、厚生労働省、文部科学省の3省が共同で作成しており、モノづくりに関する基礎的なデータや、その年の課題や政府の取り組み、モノづくり振興施策集などを紹介している。今回は、製造業の人材確保と技能継承の内容について紹介した、第2章第1節と第3節の内容をまとめた。
総務省の「労働力調査」(2026年1月)によると、日本の全産業における就業者数はコロナ禍の影響で2019〜2020年にかけて減少したものの、それ以降は増加しており、2024年が6781万人、2025年が6828万人となっている。その中で製造業の就業者数は減少傾向を示しており、2023年が1055万人だったのに対し、2025年は1033万人となっている。全産業に占める製造業の割合は2023年は15.6%だったのに対し、2025年は15.1%に減少した。
製造業における若年層(34歳以下)の数は2012年頃まで減少が続き、その後は低止まりが続いており、2025年は258万人となった。
一方で、高齢就業者(65歳以上)の割合は、2018年度までは増加傾向で推移し、それ以降は微減傾向で2025年は85万人となった。高齢就業者の比率は2018〜2020年の8.8%をピークとして徐々に低下し2025年は8.2%となっている。非製造業における高齢就業者率が14.8%で、増加傾向が進んでいることに対し、製造業では高齢就業者比率は抑えられていることが分かる。
ただ、製造業全体の就業人数が減少している点、中小製造業などを中心とした人手不足感がコロナ禍前と同等水準で高い水準で推移しているという点を見ると、高齢者の再雇用などで人手不足を賄うことが難しくなっていることがうかがえる。
これらを補う存在として外国人労働者数は増加を続けている。製造業における外国人労働者数は、2014年以降コロナ禍時期を除いて増加し続けており、2025年は63.5万人となった。その内訳は、以下の通りだ。
製造業の雇用者数に占める外国人労働者数の割合についても、2025年は2008年比で4.6ポイント上昇し、2025年は6.4%という比率となっており、外国人労働者が労働力維持の一端を担っていることがよく分かる。
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