ストラタシス・ジャパンは、ユーザー事例や最新製品情報を発信するプライベートセミナー「ストラタシス・デー 2026」を開催した。本稿では、当日の講演内容から、北米トヨタ、信越化学工業、型技術事務所モートによる発表を中心に、アディティブマニュファクチャリング活用の現在地を紹介する。
ストラタシス・ジャパンは2026年6月10日、プライベートセミナー「ストラタシス・デー 2026」を開催した。2024年に始まった同イベントは、国内アディティブマニュファクチャリング(AM)業界の活性化を目的に、最新製品情報やユーザー事例を紹介する場となっている。
今回は「日本におけるアディティブ製造(AM)の現在地と今後の可能性」をテーマに掲げ、AM技術の製造現場への実装や材料開発、生産技術への応用について、複数の講演や展示を通じて紹介した。本稿ではその中から、北米トヨタ、信越化学工業、型技術事務所モートによる発表を取り上げる。
ユーザー事例などの紹介に先立ち、ストラタシス・ジャパン プロダクトソリューション部 マネージャーの竹内翔一氏が同社の最新製品情報を紹介した。
竹内氏は、日本国内におけるAMの活用が試作から製造フロアや最終製品の領域へ広がりつつあるとした上で、8つのアップデートを発表した。ここでは、その中から装置、材料、ソフトウェアを1つずつ取り上げる。
「J850 Core」は、PolyJet方式3Dプリンタ「J8シリーズ」の新プラットフォームである。3材料構成に特化し、造形モードを切り替える際の材料交換を不要にしながら、ハイクオリティーモードとハイスピードモードを使い分けられる。「ToughONEシリーズ」にも対応し、従来機「J850 Pro」よりもイニシャルコストを約20%低減できる見込みだという。
「FDM PA6/66-GF30-FR」は、FDM(Fused Deposition Modeling/熱溶解積層)方式向けのラインアップで初となるガラス繊維入りの材料だ。質量比30%のガラス繊維を含有するPA6/66ベースの難燃性材料で、欧州の鉄道向け火災安全規格に対応する。既存のポリカーボネート難燃グレード「PC-FR」よりも高い強度と剛性を持ち、鉄道や輸送機器の部品製造を目的に開発された。セミナー時点では「Fortusシリーズ」向けとして紹介されたが、2026年6月17日に「Fortus 450mc」および「F900」向けの材料として発売された。
「Additive App Suite」は、CADや3Dスキャナーがなくても、治工具などのAM用3Dデータを作成できるアプリケーション群である。既存の「GrabCAD Print Pro fixturemate」を発展させ、クランプやシャドーボード、物流トレーなどに対応する。現場のエンジニアが直感的に治工具データを作成できるようにし、AM活用の裾野を広げることを狙う。
この他、高耐久材料のToughONEシリーズの黒色グレード「ToughONE Black」や、FDM向けの材料乾燥装置「FDC」、量産向け「SAF H350」用の新たなPA12材料、製造用途を想定した光造形機「SL Neo800+」など、製造現場での活用を意図した材料や装置を紹介した。竹内氏は「日本からAMの活用が進んでいることを発信していく」と述べた。
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