以下に、これから話す3回分の連載の目次を記します。これまでの記事と重複する部分は初心者向けにリライトします。聞いたことのない専門用語も出てきますが、メカ設計初心者向けに説明していきます。
ここでお腹いっぱいになりますね。いったんボルトの話は休止して、異なる失敗事例を数例お話ししましょう。
その後、ボルトが2本以上の場合の破断事例とその対策も取り上げます。以下のような内容です。
図3にボルトで固定されたブラケットを示します。前シリーズのブラケットとは、説明を簡素にするために形状が少し違います。
CAE解析ソフトが付属している3D CADのユーザーだと、図4のような応力解析で強度計算するでしょうか。相当応力の最大値を読み取って、これと降伏応力ないしは引張強さとの比(このことを安全率として表示するCAE解析ソフトもありますね)を計算して、強度計算完了としているかもしれません。
ちょっとブラケットに作用している力を考えてみましょう。図5になるでしょうか。
図4右図の黒丸(O点)周りのモーメントのつり合いを考えてみましょう。つり合い式は次式となります。
ボルトに作用する力は以下となります。
図から明らかにa<bですね。ということは、ボルトに作用する力B1は荷重Wよりはるかに大きいということです。では、荷重のかかる部品の断面を見てみましょう。図6に断面の比較を示します。
応力は「荷重/断面積」でした。ボルトに作用する力B1は荷重Wよりはるかに大きく、さらにB1を支えるボルトの断面積ABoltはブラケットの断面積ABより小さいことから、ブラケットに発生する応力よりもボルトに発生する応力の方がはるかに大きいことが推測されます。
そうすると、図4のようなCAE解析をするよりも(やらないよりましですが……)、ボルトの強度計算を実施すべきということになります。以上の理由から、ブラケットよりもボルトの方が疲労破断しやすいのです。
ここで1つ断りを入れておかねばなりませんね。図5の力のつり合いは、ボルトが締まっていないときのものです。ボルトが規定トルクで締結されている場合は、少し異なる力のつり合い状態となります。
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