直動パーツフィーダー不具合をばね−マス系で読み解く冴えない機械の救いかた(3)(2/4 ページ)

» 2026年04月14日 06時00分 公開

共振点近傍の振幅はどのように決まるのだろうか

 前回式9について説明しました。

式9 式9

 入力は変わらないものとして、伝達関数の大きさを考えましょう。

 図4に、入力(外力であり加振源の大きさ)の周波数がちょうど共振周波数のときと、少しずれたときの伝達関数の絶対値を示します。

入力の周波数を少しずらしたときの伝達関数 図4 入力の周波数を少しずらしたときの伝達関数[クリックで拡大]

 周波数を少しずらすと、伝達関数の絶対値が小さくなります。第1回で紹介した昭和のラジオでは、選局ダイヤルが少しずれた状態だと音が小さくなり、雑音が入ります。まさにこの状態が図4の状態なのです。

 次に、減衰が大きくなった場合を考えます。図5に、減衰を大きくしたときの伝達関数を示します。

減衰を大きくしたときの伝達関数 図5 減衰を大きくしたときの伝達関数[クリックで拡大]

 共振点での伝達関数の絶対値が小さくなりました。昭和のラジオではこのような状態になることはありませんが、バリコンと直列つなぎで抵抗を挿入するといった魔改造をすると、このような状態になります。

直動パーツフィーダー1号機はうまくいっているのに
2号機は性能が出なかった件

 1号機はうまくいっているのに2号機はダメ、という再現性のない不具合の場合、顧客はかなり不安になります。そして、「その対策は本当に大丈夫ですか?」という問いが付きまといます。

 現象が再現できない原因が分かり、この現象をしっかり説明できれば、対策の有効性を顧客に理解していただけます。具体的な対策は書けませんが、ここでは現象が再現できなかった理由を述べます。

 図6図7に直動パーツフィーダーを再掲します。当然のことですが、消費電力を最小にするため、この機械は共振状態で稼働させます。

直動パーツフィーダー 図6 直動パーツフィーダー[クリックで拡大]
板ばねユニットとアクチュエーター 図7 板ばねユニットとアクチュエーター[クリックで拡大]

 共振状態に影響する要因として、以下のものが考えられます。

  • 板ばねの材質
  • 板ばねの厚さ
  • 板ばね同士の摩擦係数
  • 板ばねを留めているボルトの締め付け具合
  • 加振周波数

 ばね−マス系の挙動で、共振点がずれてしまう状態(図4)と、減衰が変化する状態(図5)で考えましょう。

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