V3D Asiaは、中澤建設と連携し、2026年5月から島根県雲南市掛合町の実証フィールドで、3Dプリンティング建設技術のPoCプロジェクトを開始する。自社開発のガントリー式3D建築プリンタを用いて小規模構造物の施工実証を行う。
V3D Asiaは2026年4月9日、中澤建設と連携し、同年5月から島根県雲南市掛合町で、3Dプリンティング建設技術の実証実験(PoC:概念実証)を開始すると発表した。
同プロジェクトは、V3D Asiaが既に東南アジアで本格的に商業展開している3Dプリンティング建設技術を、日本国内で初めて運用するものだ。日本での展開に向け、島根県雲南市掛合町に実証フィールドを設け、自社開発のガントリー式3D建築プリンタ(アルミトラス構造)を用いて小規模構造物の施工実証を行う。
実証実験では、日本国内で調達可能な建設資材(生コンクリート、モルタル)を用いた施工性能の検証も行い、国内サプライチェーンの構築を目指す。また、地方の建設会社との連携モデルを構築することで、3Dプリンティング建設技術の全国展開に向けた基盤整備にもつなげる。
日本の建設業界は、深刻な人手不足と高齢化に直面している。国土交通省の統計によると、建設業就業者の約3割が55歳以上である一方、29歳以下は約1割にとどまり、担い手の確保が喫緊の課題となっている。特に、島根県をはじめとする地方ではその傾向がより顕著で、建設施工の効率化/省人化を可能にする新たな技術の導入が強く求められている。
V3D Asiaは、これまでインドネシアやブルネイで住宅や公共施設の3Dプリンティング建設を手掛け、その実用性と効率性を実証してきた。今回の実証実験では、こうした海外での実績を基に、日本の建設環境や規制、気候条件に適した3Dプリンティング建設技術の確立を目指すという。
施工パートナーとして参画する中澤建設は、1965年の創業以来、島根県雲南市を拠点に、公共事業や民間事業を問わず土木/建築事業を手掛けてきた地域密着型の総合建設会社だ。同プロジェクトでは、基礎工事、仮設工事、付帯設備工事などを担当するとともに、日本の建設現場における3Dプリンティング技術の実用性検証に協力する。
V3D Asiaの3Dプリンティング技術と、中澤建設が地域で積み重ねてきた豊富な施工実績や経験を組み合わせることで、日本の建設業界における3Dプリンタ建築の実用化に向けた知見の蓄積を目指す。
| 事業名 | 3Dプリンター島根PoC事業 |
|---|---|
| 実施期間 | 2026年5月15〜31日 |
| 事業主 | V3D Asia |
| 施工パートナー | 中澤建設 |
| 技術協力 | 小堀祥仁建築設計室 |
| 実施場所 | 島根県雲南市 |
| 実証内容 | ガントリー式3D建築プリンタによる小規模構造物の施工実証 |
| 表1 プロジェクトの概要 | |
V3D Asiaは、同実証実験で得られる技術的知見および施工データを基に、日本国内における3Dプリンティング建設の事業化を本格的に進めていく。今後、住宅や公共施設など幅広い用途への展開を見据え、国内の建設会社や自治体、研究機関との連携を拡大していく考えだ。
同時に、同社はグローバルで先行するマレーシア(クアラルンプール近郊)での高級住宅開発プロジェクトや、インドネシア(バタム島)での大規模住宅開発とともに、アジア太平洋地域における3Dプリンティング建設のリーディングカンパニーを目指すとしている。
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