東芝産業機器システムは、10秒間の録音で産業用モーターの軸受に起因する異常音を検知、可視化するiOS向け「東芝モーター音響分析アプリ」を無償公開した。点検作業をデジタル化し、点検品質の均一化を支援する。
東芝産業機器システムは2026年3月25日、iPhoneで産業用モーターの稼働音を録音し、軸受の異常を分析できるスマートフォンアプリ「東芝モータ音響分析アプリ」のiOS版をApp Storeで無償公開したと発表した。10秒間の録音データから異常音を可視化することで、保全業務の経験が浅い作業員でも適切な初動対応が可能になる。
同アプリは、iPhone内蔵のマイクを使用してモーターの軸受部付近で10秒間録音を行うだけで分析を実行できる。専用のセンサーや測定器を必要とせず、軸損傷に関連する周波数レベルを「高い」「低い」「正常」といった段階的な指標で表示する。これにより、点検強化や補修の検討、サービスコールの実施といった判断を迅速に行えるようになる。
分析機能としては、エンベロープ分析やスペクトル分析、オクターブ分析に対応。過去の測定データとの比較による傾向管理も可能だ。データは会社、部門、ユーザー、モーターといった単位で記録を保存できるため、点検のエビデンスとしても活用できる。センサーの設置が困難な小型モーターにおいても、定期的な音響チェックを通じて予兆保全の初期ツールとして運用が可能だ。
背景には、設備保全現場における熟練技術者の減少と、それに伴う技能継承の課題がある。従来のモーター点検は聴診棒を用いた作業員の聴覚による判断が主流であり、個人の経験や勘に依存する部分が大きかった。東芝産業機器システムと東芝は、音響分析技術を用いて点検工程をデジタル化することで、幅広い領域における保全業務の高度化を目指すとしている。
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