三菱電機では独自のAI技術ブランド「Maisart」の一つとして、FAのサーボシステム向けに2028年に製品化を目指す。また、エレベーターや鉄道、家電など、パラメーターの調整が必要な分野なら適用できる技術であり、同社のデジタル基盤「Serendie」を通じて、FA以外の各製品分野に展開を図る。
「サーボシステムに組み込むのか、ソフトウェアとして提供するのか、“両にらみ”の段階だ。高付加価値な表面実装機の市場の動きが大きくなっており、実装機メーカーや実装機を使ったラインの立ち上げに携わるSIer(システムインテグレーター)とも連携していきたい」(湯澤氏)
三菱電機と産総研の共同研究は2017年にスタートした。産総研は2015年に人工知能研究センターを設立し、機械学習を中心にAIの研究を進めている。三菱電機は製造現場の知見やノウハウを持ち、先端技術総合研究所やAXイノベーションセンター(2026年1月設立)で、それらに基づいたAI応用システムの開発などを手掛けている。
産総研 情報・人間工学領域 人工知能研究センター 研究センター長の片桐恭弘氏は「今回の技術はサーボシステムを中心としているが、他の機器にも適用できると期待している」と述べる。
三菱電機では自律性、安全性、物理世界での実効性という3つの観点でAIを研究している。既に、エッジデバイスで動作する製造業向け言語モデルや、AIの動作を短時間で漏れなく検証し信頼性を高める技術、そして現場の機器に関する物理モデルを組み込んだ「Neuro-Physical AI」などを発表した。
三菱電機 デジタルイノベーション事業本部 AXイノベーションセンター AI技術基盤開発プロジェクトグループ 研究開発部長の毬山利貞氏は「物理モデルとAIをどのように組み合わせれば有効なのかという点に関してはいろいろなパターンが考えられる。その中で、軸の見え方に対して物理モデルを用いると有効になる、ということを実機を用いて検証できたことは隠れた、かつ大きなブレークスルーになっている」と語る。
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