会見では、i.MXとAra-2を使用した産業用サイト監視エージェントの動作イメージを披露した。i.MXがカメラ映像から工場内の現場で爆発を認識するのに合わせて、Ara-2でパラメーター数80億のVLM(視覚言語認識モデル)「Llama3-LLaVA-NeXT-8B」が工場内における爆発への対処にスプリンクラーの動作が必要と判断した後、プログラミングコード生成AIモデルである「Qwen2.5-Coder-1.5B」スプリンクラーの制御コードを生成して制御システムに実装するという流れだ。
eIQ Agentic AI Frameworkは現在開発中で2026年内をめどに、i.MXとAra-2を搭載するBSP(ボードサポートパッケージ)と併せて正式リリースする予定である。

会見では「i.MX 8」の開発ボードに搭載した「Ara-2」を用いてVLMの「LLaVA」を動作させカメラ画像を解析させるデモを行った(左)。開発ボードの下側に搭載されているのが「Ara-2」のモジュール[クリックで拡大]なお、NXPはこれまでもエッジAI戦略を「eIQ」ブランドで推進してきた。例えば、独自のAIアクセラレータである「eIQ Neutron NPU」は、マイコンのMCXからi.MXまで全てのポートフォリオと組み合わせられる。また、NXP製品に組み込むためのAI/機械学習モデルを開発するためのツール「eIQ AI Toolkit」も無償で提供している。
そして今回のKinaraの買収、eIQ Agentic AI Frameworkの発表によりeIQの展開も拡大している。まず、独自のAIアクセラレータについては、これまで展開してきたeIQ Neutron NPUは、Perception AIに近い処理を消費電力を最適化する形でMCXやi.MXに組み込む用途で今後も継続する。一方、KinaraがディスクリートのNPUとして展開してきた「Ara-2」の提供も続けつつ、Kinaraの技術を基に数百TOPSのAI処理性能の実現を視野に入れた「eIQ Neutron GT NPU」の開発を進める方針だ。
また、eIQ Agentic AI FrameworkやeIQ AI Toolkitの提供については、クラウド上のポータルとなる「eIQ AI Hub」に窓口を集約して提供することになる。eIQ Agentic AI FrameworkやeIQ AI Toolkitの利用は、オンプレミス環境にインストールしても、eIQ AI Hubを介してクラウドにアクセスする形でも可能である。
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