これらの課題を解決してSDAを実現するために、制御システムユーザー、制御機器ベンダー、クラウドプロバイダーやソフトウェアベンダー、エッジデバイスベンダーなどが自社独自、また、業界内でのアライアンスを組成して推進している。ここでは、業界内横断的な取り組み、コンセプトを中心に紹介する。
産業オートメーションの分野で、オープンで標準化された制御システムの普及を目指すコンソーシアム(非営利団体)である。主に、分散型制御システムへの移行を促進し、異なるベンダーのシステム間での相互運用性を高めることを目的とし、IEC 61499規格に基づいたオープンな制御ソリューションを推進している。
2021年11月の設立以降、シュナイダーエレクトリックやフエニックスコンタクト、オムロンや横河電機などの制御機器ベンダーだけでなく、エクソンモービルやABインベブ、BASFなどのユーザー企業、大学/研究機関やソフトウェアベンダーなど現在は約120社が参加している。
UAOでは、オープンなエコシステムを構築して共同で技術開発や標準化を進め、相互運用性の向上を図っており、IEC 61499規格の普及に向けて、イベント駆動型の制御ロジックや、分散型アーキテクチャを可能にする機能を提供するとともに、制御ロジックが異なるデバイスやプラットフォームで動作可能なオープンランタイム環境(Open Runtime)を開発している。
margoは、産業用エッジ(Industrial Edge)領域における相互運用性(interoperability)を実現することを目的に設立されたオープンソースソフトウェアイニシアチブ(OSS Initiative)であり、2024年5月、Linux Foundation傘下のLF Edgeプロジェクトとして発表された。
産業用エッジの世界において、多数のベンダーの独自仕様機器やソフトウェアが混在する中で「つながりやすさ」「データのやりとりのしやすさ」を標準化/簡素化することを目指している。
ABBやエマソン、シーメンス、シュナイダーエレクトリック、ロックウェル・オートメーションといった欧米の制御機器メーカーの他、インテル、マイクロソフト、レッドハットといったソフトウェアベンダーが幹事企業として加わり、オープンコミュニティーによる標準化を進めている。
UNSは、前述の2つの取り組みのような標準規格に即した活動や具体的なイニシアチブ、プロジェクトではないが、製造業において、各所で発生するデータを組織内で柔軟かつ有効に活用するためのコンセプトとして近年注目を浴びている。UNSでは、大きく以下の3つの役割から構成される。
この中では特にブローカーが中心的な役割を果たす。ブローカーの主要な役割は以下となる
これらのコンセプトに基づいて、ソフトウェアベンダーがUNSに基づくデータマネジメントソリューションを提供している。その中では、以下のような機能も提供し利便性を高めている。
次回は、SDAをさらに拡張した、ソフトウェアデファインドマニュファクチャリング(Software Defined Manufacturing、SDM)について考察する。
芳賀 圭吾
合同会社デロイト トーマツ パートナー
重工業、産業機械、建機/農機製造業を中心に、20年以上にわたって製造業向けコンサルティングに従事。事業戦略、ビジネスモデル策定から、設計開発・営業・サプライチェーン・サービスのオペレーション変革実行に至るまで幅広く支援している。
近年はデジタルを活用した事業構造変革に注力。スマートファクトリーイニシアチブのリードも務める。
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