既存生産設備の消費電力計測、三菱電機が目を付けた“ブレーカの端子カバー”FAインタビュー(2/2 ページ)

» 2026年01月30日 07時00分 公開
[長沢正博MONOist]
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新たなコアレス電流センサーで端子カバー形実現

MONOist 端子カバー形ということですが、どのように電力を計測しているのでしょうか。

瀧川氏 今回、われわれはコアレス電流センサー方式というものを新たに開発した。端子カバーの電線を囲うU字型の箇所に複数個の磁気センサーを取り付け、電線から発生した磁界を捉えて計測するというものだ。

 従来の円形の電流センサー(CT)は、後付け時にブレーカに配線された電線を一度外す手間が生じてしまう。クランプ型のCTもあるが、短いピッチで電線に取り付けるのが難しく、ずらした場所に取り付けるのも大変だ。それらの手間をなくすために、端子カバーに置き換えられる、U字型のコアレス電流センサーを開発した。

松枝氏 従来、消費電力を計測する機器は、本当の値とほとんど誤差が出ないようになっている。端子カバー形計測器でも、電線の位置が真ん中にあれば誤差はほとんど生じないが、真ん中からずれてしまうと磁界を検知する磁気センサーの感度が変わり、従来のセンサーより誤差は大きくなってしまう。

 ただ、今回、ヒアリングを進めていく中で、ユーザーからは設備入れ替え時や日々の“変化”を見たいという声が多かった。そうなると、値そのものは重要ではなく、“差分”が見られればいいということになる。そういったニーズに応えながら、使い勝手の良さを実現するため、開発に踏み切った。

順次のアップデートでよりユーザーフレンドリーに

MONOist 「JECA FAIR 2025 第74回電設工業展」の製品コンクールでは「国土交通大臣賞」を受賞しましたが、その反響はいかがでしたか。

松枝氏 国土交通大臣賞は、同製品コンクールでは最上位の賞となる。「JECA FAIR 2024」でも、三菱電機の電子式マルチ指示計器「ME110Gシリーズ」が国土交通大臣賞を受賞しており、2年連続の受賞となった。その点でも、業界内では大きな話題になった。

 福山製作所ではブレーカの開発チームと、計測器の開発チームが同じ建物内にいる。そういった環境や、これまでの技術、知見があったからこそ実現できた製品だと考えている。

授賞式の模様。左から三菱電機 関西支社 副支社長 兼 機器第一部長 西門道博氏、三菱電機 福山製作所長 近藤桂州氏、国土交通省 大臣官房官庁営繕部 大臣官房審議官 松尾徹氏 出所:三菱電機

MONOist 今後のロードマップなどがあれば教えてください。

松枝氏 計測機器を扱っている中で、誤差が1%より大きい計測機器を製品化することに対して議論にもなった。それでも今回は、ユーザーのニーズや使いやすさに合致したものを早く製品化して、フィードバックを得たいと判断した。既にいろいろな声をいただいているので、順次アップデートして、よりユーザーフレンドリーな製品にしたい。

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