ロボットは「半完成品」といわれる。ヒューマノイドも同じで「手先は別メーカー製」ということも多い。中国製のロボットにはOYMotionのハンドを使っていたところが多かった。OYMotionは義手からヒューマノイド用ハンドへと進出している企業である。
視覚と組み合わせた触覚センシングを売りにするPaXini(パシニ)は日本語のWebサイトも用意して対応。セミヒューマノイド「TORA-DOUBLE ONE」のデモ、「TORA ONE」を使ったソフトクリーム提供デモのほか、4本指のロボットハンドを使った動作デモを行っていた。PaXiniは触覚を含むモダリティ情報を集める「Super EID Factory」を構築していると伝えられている。
韓国TESOLLOのハンド「Delto」グリッパーシリーズも注目だ。耐久性、柔軟性、動作能力を実現し、多様な把持モードを切り替えられるだけではなく、対象物に合わせて指がなじむアダプティブグリップ機能を持つ。人の手指に近い構造のものもあれば、そうではない形状のハンドもラインアップされている。
4本指のハンドは握り込めば24kgまでの物体を把持可能で、指一本の耐荷重は2kg。なおこちらの代理店もTechShareで、TechShare社長の重光貴明氏も「一押し」とのことだった。
同じく韓国のROBOTISも新型の小型モーターを使ったハンドを出展していた。同社のセミヒューマノイド「AI Worker」を使って、Meta Quest3によるハンドトラッキング、そして遠隔操作に追従できることを示していた。
残念ながら、まだ本格的なマニピュレーションを実現している企業はいないようだ。ロボットが実際に作業するのはエンドエフェクタ、手先である。ここがフィジカルAIの本当の本丸であり、ヒューマノイドが実用化できるかどうかも、ここにかかっている。
これまで紹介したものとは毛色の違った路線のヒューマノイドも出展されていた。リアルな外見を持たせた、動くマネキンのようなロボットである。
中国Shanghai Xinfu Technology の「Deep Touch」シリーズはメディアにも時々登場しているロボットだ。いくつかのタイプがあるようで、ブースでは老若男女さまざまなタイプを並べて家族のようにしていた。
AMRなどに載せて移動ロボットにすることもできる。シリコーン製の肌を触らせてもらうと、想像以上にしっとりしていた。
フランスのソーシャルロボット企業Enchanted Toolsはヒューマノイド「ミロカイ」と「ミロキ」を紹介していた。コミュニケーションのほか、ちょっとした搬送などで病院や介護施設などでの用途を提案している。
後編では、ヒューマノイドロボットを巡る日本勢の動きに着目して紹介する。
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