ヌヴォトン テクノロジージャパンは、TO-56 CANパッケージで1.7Wの高出力を発揮する紫色半導体レーザーを発表した。独自のチップ設計と放熱設計により、これまで両立が難しかった小型、高出力、長寿命を同時に達成する。
ヌヴォトン テクノロジージャパンは2025年11月27日、業界標準のTO-56 CANパッケージで1.7Wの高出力を発揮する紫色(402nm)半導体レーザーを発表した。2026年3月から量産を開始する。
同レーザーは、独自のチップ設計と放熱設計により、これまで両立が難しかった「小型」「高出力」「長寿命」を同時に達成する。光学システムの省スペース化とランニングコストの低減に寄与する。
水銀灯のh線の代替光源として、紫色半導体レーザーはレーザー直接描画露光や樹脂硬化などの用途で利用が広がっている。また近年は、医療機器にも応用されている。しかし、光出力が高ければ発熱量が増加し、放熱機構が大型化するとパッケージサイズも大きくなるため、小型と高出力の両立が求められていた。
同レーザーは、レーザーチップ内部の光学損失を低減する設計で発熱を抑え、強いレーザー光に耐える新構造を採用。これにより、従来品比で約40%出力が向上し、業界標準であるΦ5.6mmのTO-56 CANパッケージで1.7Wの光出力が可能になった。
また、平均故障時間を示す指標、MTTFも大幅に改善した。長寿命化はシステムの信頼性向上と維持費の削減にもつながる。
同社の水銀灯代替ソリューションは、水銀灯の発光輝線であるi線(365nm)、h線(405nm)、g線(436nm)を代替する。同レーザーがこのソリューション群に加わることでレーザー構成の選択肢が広がり、用途や設置条件に応じて柔軟に製品を選定できるほか、光学装置の設計自由度も高まる。
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