三菱ふそうがバイワイヤとSDVの技術実証に向けイスラエル企業と合意安全システム

三菱ふそうトラック・バスは、イスラエルのREE Automotiveと、商用車のバイワイヤ及びSDV技術の共同開発、技術実証に関する基本合意書を締結した。

» 2025年12月03日 16時00分 公開
[MONOist]

 三菱ふそうトラック・バス(MFTBC)は、イスラエルのREE Automotive(REE)と、商用車のバイワイヤ(X-by-wire)およびSDV(ソフトウェアデファインドビークル)技術の共同開発、技術実証に関する基本合意書を締結した。

 両社は、バイワイヤとSDV技術の組み合わせについて探索と実証を開始した。今回の協業により、エンドユーザーのコスト低減や、モジュール式構造による設計自由度の向上、高い操作性や高度な安全機能を備えた次世代商用車の実現可能性を検討する。

 基本合意の一環として、両社は共同で1年以内に実証車両1台を試作する予定だ。実証車両はMFTBCの電気小型トラック「eCanter」現行モデルを元に、REEのEV(電気自動車)向けシャシ「P7-C」の技術を組み入れる。また、MFTBCは、将来の技術的協業を見据えたパートナー候補として、REEの技術の評価を続ける。

キャプション MFTBC の「eCanter」(左)とREEの「P7-C」(右)[クリックで拡大] 出所:三菱ふそうトラック・バス

 バイワイヤ技術は、これまでの機械的な接続を電子制御にシフトし、センサーと電気信号によってステアリングやブレーキ、アクセルなどの主要機能の操作を行う仕組み。車両の安全性や操作性の改善のみならず、車両の軽量化や燃費向上に貢献するほか、先進運転支援・自動運転技術の開発にも寄与する。

 SDVは、ソフトウェアで車両の機能や性能を制御、アップデート可能な次世代の車両アーキテクチャ。ハードウェアに頼らず、OTA(Over The Air)による機能追加/向上によって、車両の柔軟性、拡張性の改善や車両寿命の延長が期待できる。また総保有コスト(TCO、total cost of ownership)を減らすことで、顧客への長期的価値の提供にもつながる。

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